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北栄キリスト教会 献堂式

        2008年より計画をすすめていました、札幌市北区の北栄キリスト教会の 献堂式(竣工式)が11月23日に執り行われました。 55年の歴史を刻むプロテスタントの教会で旧会堂は 建築家田上義也氏設計により1981年に竣工し、 親しまれていましたが、雨水による木構造の老朽化が激しく、 改修をあきらめ今回の新会堂の建設となりました。 田上氏による旧会堂は三角形の親しみのあるファサードから 入りスケール感の良いホールを通って光に 包まれた白い吹き抜けによる気持ちの良い建築でした。 新会堂は旧会堂と90°方位を変え、礼拝が行われる午前中に礼拝堂が柔らかい光に包まれ、 礼拝が終わる頃講壇の十字架の壁が光に包まれる構成になっています。 外観は白い基調色の外壁を庇で覆い入口の上部は R型の庇で人々を迎え入れる形となっています。 技術的には、旧会堂の杭が残っている為、 コスト面で有利なコロンブス工法を採用しました。 コロンブス工法は軟弱地盤でも杭を使わず総荷重分の 敷地の地面の土を撤去し、スタイロフォームの上に 建築を浮かせるようなイメージの工法です。 エネルギーはコスト的に最適な深夜電力を利用した 蓄熱型スラブの床暖房を採用し、換気の排熱を利用し、 小規模のロードヒーティングも賄ってます。 式には220人を超える人が集まり、様々な形で新会堂をお祝いしました。 私もお祝いのスピーチをさせていただき、感謝状もいただきました。 大変感動的な時間でした。 建設の途中何度も教会の皆様と全体会議を行い、 様々な問題を前向きに力を集結して乗り越えてきた 一体感の気持ちの良いプロセスを思い出しました。 松元牧師様、建設委員会の皆様に心より感謝しました。 遠藤 謙一良

バルセロナ-カタロニアの旅3

旅の途中で5人の仲間とレンタカーで北上し奇岩が連なる聖地モンセラットに立ち寄り黒いマリアに排礼し、ケーブルカーで坂上に登って山中にある十字架を目指して2時間以上登山し無事十字架の山脈にたどり着きました。快晴の中汗をかきながら心が洗われる一時でした。その夜はバルセロナで知り合ったロマネスクの研修者で日本レストランKINOKOを経営する佐野さん親子を訪ね城壁で囲まれた中世の街(3000人位が暮らす)リルリナを案内してもらった。教会を中心に中世より民主的に運営されてきた街で外観は石積みの中世の町並みで内部は現代建築で歴史を活かした改修で今も人が入れかわってもほとんどが利用され住まわれていました。翌日は地元の建築家の案内で実際に改修された住宅と小さなホテルを見学し質の高いデザインされた仕事に触れることができました。夜はKINOKOで地元で採れる 松茸のキノコ料理と久々のおにぎりと味噌汁を美味しくいただきました。夜はリルリナ近くの国営の中世の城をホテルとするパラドールに泊まりました。内部は現代風に快適に改修されロビーやレストランは城の風情を十分と楽しめる素晴らしい環境でした。 スペイン内には他に古城を国営でホテル運営するパラドールが多くあり国として歴史的建造物を保存しながら利益と維持費を確保する姿勢・適性は運営に学ぶ事が多くありました。翌日はアドリア公国で昼食をとりピルネー山脈を越えました。大きなスキー塚(ニセコより大きい)がいつもあり札幌オリンピックのアルペン金メダルスペインのフェルナンドオチョアを思い出しました。フランス国境に入り一路、画家サルバドールダリの過した街フェデリスへ向かいました。 ヨーロッパは左側通行左ハンドルで運転は大変そうでしたが、道路システムは交差点でロータリーシステムを採用し信号機の電気式に頼らない無意味な待ちがない大変合理的なシステムでした。街灯も最小限で日本のエネルギー消費が気になりました。

小樽・梅ヶ枝町の家が竣工しました。

一戸62㎡(18.8坪)の連棟住宅が無事竣工しました。 1人住いと2人住いの小さな家で、南面する陽当たりの良い敷地の環境を活かし、 南側に空地をとってテラス越しに居間を配置するプランで内部は吹抜で 2階にもスペースをとり、採光と眺望が拡がる気持ちの良い空間を創りました。 屋根はメンテナンスフリーの防水屋根とし、 自然に軒から排水され冬期間極力屋根のメンテを行わなくても良い 将来の高齢化にむけての仕様としました。

バルセロナ-カタロニアの旅2

バルセロナ~カタロニアの旅 バルセロナから車で1時間走り、ガウディの生家と育った家を訪れました。 生家はマロニエの大木の下に小さくたたずむオリーブ畑の中にありました。 育った家はキレイに管理され整えられており、 3階建ての最上階は田中裕也氏のガウディ作品Drawingの力作が展示されていました。 1枚に5年もかけて描かれた作品もあり、印刷されたDrawing作品を数枚購入してアトリエに飾る予定です。 帰りがけ、建築家ミース・ファンデル・ローエにより1929年に建てられたバルセロナパビリオンを訪れました。 構成的で水平・壁・素材感のあるガラスによる透明感にも関わらず存在感のある大変美しい空間でした。 一度トラバーチン(大理石)の階段で、地上から基壇を設け建築が展開される様は現代の神殿のようでした。

小樽 藤澤心臓血管クリニック

昨年より進めておりました小樽の循環器(心臓・血管)と 下肢静脈瘤の日帰り手術を提供する専門クリニックが11月15日に開院致します。 専門クリニックとして地域の社会福祉への貢献と小樽を明るく元気にしたいというクライアントの熱い思いが 心地良い内部空間や最先端医療とホスピタリティに豊んだ環境を実現しました。 建築的にも壁構造の大スパンによるフレキシブルで明快な空間ができました。 また、外断熱やほぼ100%地中熱による冷暖房・ロードヒーティングへの利用、環境性の高い先進的なクオリティーを実現しました。 3階住宅ゾーンは道路面より大きなテラスでセットバックしクリニック側からのプライバシーと圧迫感に配慮した構成とし、テラスに開かれた気持ち良い居住空間としました。 機会がありましたら是非一度ご覧下さい。 クリニック内にコンセプトを院長と私で記しましたのでここに掲載致します。 〔建築のコンセプト〕 藤澤心臓血管クリニックは、専門のクリニックとして必要とされる高度な医療設備を備える事はもちろん、来院される方々がゆったりと心和む快適な環境づくり、またCO2削減へ貢献するエネルギー効率の高い新しい技術を融合した、北海道の中での先進的なクリニックを目指しました。 外観は1・2階のクリニックはガラス面を多くし内部の柔らかいインテリアを外に伝え、また外壁を白いタイルとコンクリート、金属板で構成し、清潔感ある入りやすい軽快なデザインとしました。3階はクリニックを訪れる際に圧迫感を与えないよう壁面をセットバックし、屋上スペースをフロストガラスによるスクリーンを持つテラスとして利用し軽快な外観と内部的な用途を両立しています。 アプローチは広々とした内部空間を感じられる位置に配し安心感を与えます。2ヶ所の待合室は大きな開口部でそれぞれの樹木のある庭に面し、吹抜で2階と繋がる自然光溢れる開放的で心和む空間としました。建物全体を通じて自然素材を使用し、柔らかな間接照明を多く採り入れることで安らぎと落ち着きを与える空間をつくっています。歩行部床の下地にはクッションシートを組み込み衝撃を和らげます。 建物の構造は鉄筋コンクリート壁構造としながら、床と壁の配置や構造計画の検討により自由な開口部を設け、梁のないロングスパンのスラブとし、開放的で広々と明るい空間と、将来の部屋用途の変更にフレキシブルに対応できる事を考慮しました。 密着通気層型の外断熱工法とトリプルガラス木製断熱サッシュの組合せにより、Q値(熱損失係数)1.3を確保しながら、冷暖房熱源を地中熱ヒートポンプによりほぼ100%まかない、計算値でEHPの1/2程度の消費エネルギーとしています。また同時に採用した地中熱方式のロードヒーティングに関しては灯油ボイラーの1/4程度のエネルギー消費となります。 このクリニックが多くの方々に親しまれ、人々が集う魅力的でホスピタリティに富んだ空間となること、同時に時代が求める省エネルギー性を高い技術で実現する事で、地域社会をしっかりと見据えて存在する夢と可能性をもった建築を目指しました。 〔エコロジーへの取り組み〕 ●地中熱ヒートポンプによる冷暖房・ロードヒーティング 自然エネルギーである地中の熱を有効利用した地中熱ヒートポンプは、化石燃料を使わず、優れた省エネ性と地球環境に優しい冷暖房システムです。「地中熱」は地下50~100メートル程度の浅い部分の熱を利用するもので、地中に特殊なパイプを挿入し、その中に不凍液を循環させることにより熱交換を行い、当建物の暖房・冷房・給湯・融雪のほとんどのエネルギーをまかないます。地中熱は気象条件に影響を受けず、一年中安定した熱供給が可能です。従来の灯油ボイラーなどに比べてエネルギー消費はとても少なく約1/2~1/3、化石燃料を消費する量が大幅に削減されるため、省エネやCO2削減などに貢献します。 ●RC外断熱 密着通気層工法 断熱にはRC外断熱密着通気層工法を採用しています。外断熱は躯体であるコンクリートが建物の内側にあるので、外気温に影響されず室温と同調します。冬期間一度暖まったコンクリートは暖房を止めた後、室温が下がると溜めた熱を放出するため極端な温度変化がありません。又、夏季においても外気の高温に影響されずエアコンも微量で快適に過ごせます。 又、建物の壁・窓などから逃げる熱量、及び隙間風などから失う熱量を表すQ値(熱損失係数)においては、経済産業省・国土交通省の基準値1.6W/m2k以下(北海道地区)を下回る1.3W/㎡kであり、冷暖房エネルギーを徹底的におさえる高い省エネ性能を発揮します。 また、耐久性が内断熱構造に比べて格段に高まる外断熱工法、特に壁内結露を防ぐ通気層工法の建物は100年以上もつと考えられており、建替えによる建築廃棄物も大幅に削減できます。 ●アルミエレメント熱交換換気 換気設備には、北海道以上に寒さの厳しいカナダで開発された熱交換換気システムを採用しています。 新鮮な外気を室内に取り入れながら、屋外に排出されるよどんだ空気から出る熱を屋内に供給される新鮮な空気へと効率的に伝える特許アルミニウムコアが搭載されています。このアルミニウムコアは温度の低い時期でも熱交換の効率が下がらないという特徴を持っています。 排出される空気の熱を屋内に供給される新鮮な空気に最大限に伝えるという質の高い空気がもたらすすべての利点を享受しながら、1年通して冷暖房エネルギーを節約することが出来、冬の間建物の中の暖かさを最大限外にもらしません。夏の冷暖房には逆の働きをし、屋内に供給される空気から屋外に排出される空気へと熱を伝え、家の中を涼しく保ち、新鮮な空気で満たします。 ●ハイドロテクトタイル 地球温暖化や酸性雨、呼吸器障害の原因となる大気汚染。その大気汚染を引き起こす有害物質であるNOxとSOxを分解し、大気を浄化するのが〈大気浄化機能〉です。光触媒作用によってハイドロテクトタイルが除去するNOxの量は、650㎡(当建物外壁で使われたタイル)でポプラの木45本分に相当します。いわば、ハイドロテクトタイルを用いたビルを建てるということは、都会に木を植えるということなのです。 また、汚れを分解する光触媒のセルフクリーニング機能により、汚れが付きにくく・付いたとしても落ちやすく・付いた汚れが雨で流されやすくなっています。太陽光というクリーンなエネルギーを利用し、清掃にかかるメンテナンスにともなう洗剤や水を大幅に削減ができる、また従来のタイルに比べ美しさが長持ちするメリットがあります。 ●自然素材タイル・木・鉄・ガラス・コンクリート等の質感ある素材を多用し、時間経過をしっかりと受け止める耐久性と、歩み重ねる時と共に良い意味での深みを持ち、価値が深まる素材を使用しました。特に毎日手の触れる建具を木材で創り柔らかで本質的な環境を目指しました。 遠藤 謙一良

バルセロナ-カタロニアの旅1

10月31日より11月8日までスペイン・バルセロナを中心に旅をしてきました。 日本建築家協会北海道支部とカタロニア建築家協会との交流と、バルセロナでの北海道建築家展の開催が目的の旅でした。 今回は、北海道出身で地元在住の建築家田中裕也氏(ガウディクラブ 博士)のコーディネートで実現した企画です。 田中裕也氏はバルセロナに30年在住し、図面がほぼ無い建築家アントニオ・ガウディの作品をコツコツと30年に渡り実測し、学位を取得した方です。 翌日は田中氏の案内で、 「グエル公園」「サクラダファミリア」「カサ・ミラ」「カサ・バトリョ」「コロニア・グエル地下礼拝堂」 と田中氏の解説で巡りました。 一つ一つの建築の由来や建築的テーマ・構造・材料・技術について説明を受け、非常に美しくまた心地良いスケール感の中にダイナミックな光溢れる空間が実現し、表現の中に確かで見事なまでの合理性で貫かれていることがわかりました。とにかく言葉を越える感動的な建築空間体験でした。 これからも折をみてレポートを続けます。

週間MEMO

大沼の家が無事上棟しました。 森の中の水平感ある伸びやかな住まいです。 夕方敷地でエゾフクロウが、頭上の樹からゆっくりと飛び立ちました。 大きく美しい姿に思わず追いかけてみると、向こうもこちらの様子を見ていました。 小樽の藤澤心臓血管クリニックと札幌の北栄教会が無事竣工しました。 また、大きな屋根に覆われた大きな土間を持つ札幌真駒内の家と、小樽の海を臨む小さな家がスタートしました。 10月31日より9日間スペインバルセロナへ行ってきます。 あちらで開催される建築展と、地元のカタロニア建築家協会との交流のためです。

週間MEMO・階段

これは、マロニエ通りの家の階段、先日取材の立会いで訪れた際の写真です。 登り梁の空間が連続し、吹き抜けの上部から 午前中の光が差し込む様子がきれいでした。 マロニエ通りの家 近年竣工したものの中で階段といえば、 定山渓SKYHOUSEの階段。 こちらもディティールにこだわってつくりました 軽さを求めたため、強度と使用感の検討を重ね製作した階段です。 定山渓SKYHOUSE

藤澤心臓血管クリニックオープン・内覧会のお知らせ 2010/11/6・7

弊社設計のクリニックオープン・内覧会のお知らせです。 小樽市稲穂3丁目1-16 チラシPDF(案内図あり) にて、弊社設計の藤澤心臓血管クリニックが11/15にオープンします。 先立って、藤澤心臓血管クリニック様主催で内覧会が行われます。 診療所と住宅の複合施設であるこの建物は、地中熱ヒートポンプ・RC通気層型外断熱・アルミエレメント型熱交換器などの技術を複合させエコロジー性能を高め、意匠的、構造的にも都市に対しての意思を持った設計となっています。 (お客様のご厚意により、事前に、ご連絡先・ご住所・お名前・所属などの情報、来訪されるお時間を弊社までメールいただけましたら住宅部分も弊社スタッフがご案内いたします。建築関係者の見学も可能です。) ぜひお越しください。 endo_aa@hotmail.com 担当:富谷・工藤

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