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箱館奉行所・佐田邸

先週(8/18)函館で今年竣工した箱館奉行所を見学しました。 1864年に竣工しわずか7年で解体された建築の再現です。 形や平面・仕上げは資料・写真・文献・古図面をもとに忠実に再現されました。 平面は日本各地に残る同類の施設に良く似ています。 柱・梁はヒバ材が使われ内壁は土壁で仕上られており素材そのものの材力のもつ 生命力や自然感が気持ち良く改めて日本建築の持つ繊細で美しい空間に感心した一時でした。 時代をつくった地域にとって主要な建築が再生する事は大変意義のあることと思います。 また午後から地元の方のご好意で建築家田上義也設計の佐田邸(1928年竣工)を見学する機会がありました。 函館の元町に現存し、東南の庭に面して八角形の応接室があり、 サッシュの窓割りに田上らしい意匠が展開されています。 L型のプランで食堂や和室は高台の位置より当時海を望む構成として工夫されています。 残念ながら今は海側に建物が建ち海を望めませんが、 近景の庭と遠景の海を巧みに取り入れたテーマをしっかりもった歴史的建造物でした。 玄関までのアプローチは庭の中を歩く緑あふれる美しい空間でした。 外観は小樽の坂牛邸と共通する寄棟が屋根型が特徴的でスケール感のある価値ある建築でした。 当日は市立大の山田先生一家も合流し楽しい一時でした。

週間メモ

8月9日は、6月に開院した歯科医院の上階住宅部分の改修工事契約で函館へ行きました。 RC造の為内部の改修が主で断熱と断熱サッシュを全面的に入れ替え、暖房方式も床暖房とパネルヒーターに変更し、厨房、浴室全てリニューアルとなる大がかりな工事です。 特に和室では、クライアントの実家の解体に伴い天井の羽目板、床板、欄間などを再利用する事が検討され、部分的な利用も大切なテーマの1つとなります。 小樽のFクリニックは4階の配筋もほぼ終了し3階から4階への透過性のある鉄骨のパンチングメタルの階段も組み込まれました。   また小樽でも、3階建のフルリフォームの住宅がスタートしました。2世代住宅の水廻りの分離を1つにまとめて設計し、1世代的に3世代の家族が暮らす内容です。 こちらも断熱をしっかり改修し、設備等の生活のクオリティをデザインする事で、高めていく計画です。 外装も一新し、11月位に竣工予定です。 今年はリニューアルの話も多く世相がそのまま反映され何とも面白い流れを感じております。   5年位育てたハイビスカスの花が咲きました。 近くの川へ散歩に出かけると蒲の穂が水辺に咲いていたので、一部御裾分けでいただき生花としました。 シンプルで力強い美しい姿を楽しんでいます。 遠藤 謙一良

週間メモ

8月1日は小樽坂牛邸にて田上記念室開館の当番で10:00~15:00まで滞在しました。 雨降りということもあり、午前中は来館者もなく縁側に椅子を出して住宅のスケッチを行いました。 ひさしの先端からは雨がしとしとと流れ落ち、風も館内を巡り大変気持ちの良い空間でした。 7月の前回の当番時も雨で、そのときに改めて庇の雨が機能以上に住宅に快適性をもたらすことを感じましたが、 今回ますます雨の坂牛邸が気に入りました。 もちろん庭に視界が拡がる背景と庇と縁側・内部がつながり一体となることで感じることですが、日本の庭に開かれる伝統文化の本質と形態の一端を実感しました。 室内から庇の奥行きの空間で守られ小さな滝の流れを見ている気分です。 8月2日はオープンデスクの女子学生が事務所に来てこれから2週間程度設計事務所の仕事の手伝いをしながら体験をする予定です。 大学院生のインターンシップ2名を入れると今年度は5人参加する予定です。 8月2日の夜は釧路入りし、歯科クリニックの見積を各社に依頼し、午後から歯科で使う合板の建材の様子(バラツキ)をみる為屈斜路湖経由で美幌の木材所に寄りました。 途中25年ぶり位で釧路湿原の北斗展望台に寄りました。 私はこの頃の建築家毛綱氏の作品が釧路の原風景を感じ好きです。 美幌峠から屈斜路湖の眺めは大変美しかったです。 週末はニセコに行き帰りに小樽の毛無峠で車を止め写真をとりました。 小樽札幌間は良く行き来しますが、海と空が青の色で一体となり境目が分からなくなる風景が大好きでついつい見とれてしまいます。 張碓の山に登ると小樽と札幌の街が一望できるポイントがありそうなので近いうちに登って海に浮かぶ2つの街を見てみたいと思っています。 夕方はいつもお世話になっています内田洋行のユーカラにてJIA(日本建築家協会)北海道支部住宅部会の年1回の作品発表会でした。 冒頭で賞の1つであります、長年北海道の建築文化に貢献した人々に贈る「きたこぶし賞」が 私の師 建築家 竹山実 氏に贈られる事が決まり大変うれしかったです。 受賞理由は北海道での建築家としての活動とかつて師が主宰していた自身のアトリエである アトリエインディゴで多くの若手建築家やクリエーターを集め交流し、 建築文化やコミュニケーションの大切さを伝えその後その流れが、 札幌建築塾・JIA住宅部会へとつながり発展してきた事が委員から伝えられました。 竹山実氏は今から50年位前にアメリカに渡り、彫刻家イサムノグチのもとで2年間公園計画を 手伝ったり、ルイスカーンやコルビジェ、セルトの生の授業を受け、バックミンスターフラー との交流、その後のシドニーオペラハウスの基本設計にデンマークのヨーン・ウッツォンのもとで 参加し、アルネ・ヤコブセンのアトリエなど数多くの作家のもとで学んだ人です。 私も学生時代に師に出会い、建築文化を幅広い学問体系の中から捉える視点の広さと深さにふれ、 結果として学生時代に3年 アトリエ時代に9年間お世話になりました。 発表会では「マロニエ通りの家」を発表し、 敷地環境の特性であるマロニエの風景と敷地の環境の今後の変化(マンション建設等) の予測のもとに変わらないであろう空の風景を読み解いて、庭と光を素直に感じるスケールや プロポーションや視線の流れや位置の大切さとその連続する空間の時間が確かな住まいの空間をつくる 事をお話しました。また2世帯住宅で大きな登り梁で構成する屋根が家族を包み込む事で一体感のある アイデンティティーを感じる空間となる事を考えた事をお話しました。 いくつかの批評をいただき考える点もいただきました。 各作品のコメントを委員が行うのですが、刷新しているかどうかの視点が委員から問われる点が多く気になり、考えました。 刷新するとはすっかり新しくするという意味で、良く捉えるとこれからの未来をつくりまた北海道の建築文化をより高く進化すべき事が作家としてまた北海道の建築文化を高める事になるとの意味と良い方に捉えて聞いていましたが、一方で時代は過去に見落としたり、また一見外見は同じでも技術性能として(プリウスのように)進化することや、今の時代に大切な価値観を材料・工法・ディテールとして考えられている事、それぞれの中に深く確かな理念がある事-その創造力やテーマ性がどうかと問う事、つまり理念をもとにどのように表現となったかが創造力ではないかと私なりに考えました。 現代は見える見えないだけではない創造力も問われ求められる成熟した多様性を考える時代と思います。 素晴らしく皆さんの日々の努力が集結していました。 1つ気になったのはドローイングで風景を語っていましたが実物を知る限り遠い風景であり建築家である以上、植栽を含めそこがポイントであるなら徹底的に表現すべきと感じました。 いずれにしても刺激を受けて自分のこれからを考える良い時間でした。 スタッフの方々に感謝します。 8月7日は定山渓のアートプロジェクトに夜に行き特別に消防の展示スペースも案内して頂きました。 定山渓が、従来のイメージにアートプロジェクトが加わる事で河(自然)・公園・建築と展開されるプロジェクトに街の魅力を間接的に問いかける力を感じました。

週間MEMO

小樽Fクリニックはコンクリートの躯体工事が3階まで進みまして、 1Fは内部の型枠が外れました。建物の手前から奥まで梁のない気持ちの良い空間が現れました。 将来にわたって設備の対応や間仕切の変更が可能な自由度の高い構造です。 北栄教会も構造がほぼ出来上がりコンクリートを養生しています。 釧路の帰りには白糠でいつもシカに出会います。 トマムと帯広の間は高速道路の開通で日勝峠を通らなくよくなり、非常に気楽になりました。 7月30日には札幌市立大学山田良先生を講師にお迎えしてAIJ&JIAのジョイントセミナーを開催しました。 「inexplicable=説明できないこと」をテーマに35人の来場者を迎え、 アートや地域活動で歴史や地域、コミュニケーション、 自然の中で人々が集まり考える大切な場所を創造するお話を聞きました。 時間と空間と行為や創造によって確かな精神性の高い場所がつくられる可能性を感じました。

週間MEMO

7月23日は小樽で住宅の地鎮祭を開催しました。 シンプルな住宅を2軒連棟にした住宅です。 7月24日はリプラン主催の北のくらしデザインセンターの住宅見学会がありまして 施主様のご厚意によりオープンハウスをすることができました。 13人の参加者で見学頂き夕方にはパナソニックで見学していただいた方々に セミナーを開催いたしました。 24日の夜は月が綺麗でした。 最後に現在釧路で歯科を計画しております。 8台の診療ユニットを家型の個室にした前導入プランです。 待合は質感の高いシックなデザインとし、 光が美しい最新型の衛生設備を備えた歯科です。11月オープン予定です。 遠藤 謙一良

AIJ&JIAジョイントセミナー開催のお知らせ

日本建築学会と日本建築家協会のジョイントセミナーが、 7月30日(金)18:00~19:00 (株)内田洋行 北海道支社「協創広場U-cala」で開催されます。 今回は、札幌市立大講師の山田良先生に講演していただきます。 皆さん是非、ご参加下さいませ。 詳しくはパンフレットをご覧下さい↓ お参加申し込みはこちらから aijjiapanf17.pdf

石田節子人形展

    坂牛邸 石田節子人形展 7月6日から7月11日に小樽坂牛邸で 石田節子人形展が開催され6日間で延720人の来館者がありました。 石田さんは坂牛様の友人で人生で最後の展覧会も坂牛邸で行いたいという希望で今回の展覧会 が実現しました。 展示は、坂牛邸の空間と一体となり庭の緑の風景と一体となって美しい展示となりました。 人形は桐の木を削り込んで衣服も、全て染め込みも合わせて手造りで仕上げられた精巧な作品で、 優雅で観ていて心穏やかになる作品でした。 期間中元住友信託銀行頭取(現顧問)で坂牛様の御友人だった方が来場され、昭和初期の全盛期の 小樽のお話と東京を当時往復されていた事による比較をお話しされ、今では想像もつかないかつての 栄華と、これからの小樽や街並について1時間ほどお話しをさせていただく機会も得ました。 大変な博識な方で以前住友でトラスト運動を行った頃のお話しやイギリスの初期のトラスト運動のお話しや 中国やアジアのお話しとグローバルで幅広い視点のお話をいただきました。 偶然にも翌日、恩師である竹山実氏が来札され、短い時間でしたが、お会いしてお話をし、氏も 70年いた札幌をみてきて企画の構造は良いが、街並が美しくならない事をお話しされた。市民 にその意識がこんなにもなく、民間主導でほとんどの建物がつくられていますが、公共やそれに 近いものまた、民一般の建築も街並や風景の大切さをもっと悟る事が大切ですね。 7月25日は小樽坂牛邸の開館のスタッフ当番として10:00-15:00まで坂牛邸にいます。 お時間のある方は是非お越し下さい。 遠藤 謙一良

週間MEMO

週間MEMO 2010.7.17 7月10・11日 定山渓SkyHouseのオープンハウスを行い、多くの方々にご覧いただきました。 札幌北区北栄教会は3階屋根の配筋がはじまりました。 7月14日の夜JIAの法人フォーラムで元北海道日建設計社長 吉田宏氏のセミナーを20人ほどで伺い ました。 前半は講師の趣味でもある写真の話が大半でしたが、大型のプロジェクトをすすめる前にコンセプトを 構築する為に計画地の風土にふれ、山に登ったり、川をたどったりあるいは、縄文の遺跡にふれながら 計画のモチーフを考えていたプロセスのお話しは、共感できる興味深いお話しでした。 遠藤 謙一良

オープンハウスレポート・定山渓SKYHOUSE

  オーナー様のご好意により行わせていただいた、7/10・11のオープンハウスの様子です。 少し街中から離れたオープンハウスでしたが、たくさんの方々にご覧頂きました。 貴重なご意見・感想、ありがとう御座いました。

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