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Case Clinic:上江別歯科・矯正歯科ができるまで

1.遠藤建築アトリエとの出会い

「私がクリニックを新築するにあたり設計者に求めた条件は、自分のイメージを形にしてくれるだけでなく、それに提案を加え更にいい方向に持っていってくれる事でした。こちらが言うことを形にするだけなら誰でも出来ますから。」

2011年に歯科医院を竣工されたM先生、遠藤建築アトリエにたどり着くまでにいくつかの建築会社での検討をした後でのお問い合わせでした。

「最初は歯科の材料屋さんからの情報、私の先輩の歯科の先生が遠藤建築アトリエに内装を依頼していた事などから遠藤さんのホームページを知り、その後提案をお願いしました。
他の建築関係の業者さんにも何件か話を持ちかけましたが、その業者さんたちはただ僕の描いたイメージをそのまま図面に起こし金額を提示してくるだけで、僕のためではなく建築会社の利益のためだけの付き合いという感じがしました。
でも、遠藤さんは僕のイメージを事細かく聞き、そこからどんな歯科医院を作り上げるか、会話を重ねて形を提示してくれ、利益ありきの付き合いではなく僕側の気持ちで最高の物を作り上げていこうという考えが伝わり、そこが一番の決め手に成りました。」

左:江別の幹線道路沿いの広い土地を敷地として購入されていました。

2.こだわったポイント

アウトドアでの活動が好きで、アウトドアブランドの質実剛健でナチュラルなコンセプトなどに共感されるM先生には、設計にあたり以下のようなこだわりのポイントを頂きました。
・歯医者らしくない建物であること。
⇒旧来の「歯医者さん」としてイメージするような無機質な白いコンクリート的な建物ではなく、温かみのあるカフェの様な皆が入りやすく、入りたくなる建物である事。
・内部は太陽が出ている時間は照明をつけなくても何処も明るいこと。
・待合部分は落ち着ける、そこに来たくなる、居たくなる空間であること。
・診療部分は明るく衛生的に(待合とメリハリをつける)
・周辺に緑のエリアを作ること。

M先生はipadを常用されており、思いついたこと、ひらめいたことをいつもレスポンス良くメールを頂きました。
建築に組み入れたい歯科の使い勝手であったり、感動した空間だったり、好きな質感だったり、時にはそれは直接建築に関係ないこと例えば好きなカフェやおいしい料理まで・・・。ひとつひとつがお客様の趣向、価値観のイメージ作りへとつながり、建築へと収束していきました。

右:送信いただいた写真の一部。歯科の使い勝手・ラジオ体操の話からハラペーニョの話など…。

3.基本計画~基本設計

新築クリニックの建物の性格として大事なことに、「選ばれる」建物であることがあります。
住宅と違い、医療行為とはいえ、患者さんがその場所で行われる行為に対して対価を支払うという意味ではある種サービス業的な側面も持ち合わせます。
旧来、病院や福祉施設は衛生的でありさえすればデザインはあまり必要とされませんでしたが、基本的な医療行為がインフラとして敷設された現代においてはさらにその中で選ばれる、そしてまた行きたくなる場所であることが不可欠になっています。
新規開設である以上新しい患者さんに来てもらう必要があり、外観上も清潔さのイメージを失わないデザインを保ちながらも入ってみたくなる外観デザインが必要でした。
この場所は江別という土地柄建物は密集していなく、道路に立つと建物のスカイラインがきれいに浮き立つことがわかっていたため、外部のフォルムの検討も重点的に行いました。内部についても「カフェのような」というお客様よりにキーワードから、木質で楽しげな光の空間のイメージを広げました。

「何度も打ち合わせをして行くごとにプランが磨かれて行き、話し合いの中で私の人となりを遠藤さんが消化してくださり、最終のプランの平面図から順を追って模型になった形をみて、これだ!と思いました。」

左:スカイラインの違う外観デザインのバリエーション

4.実施設計・金額決定・施工へ

医療設備業者様などと打ち合わせを重ね、基本設計で決まった形を実施設計へと反映していきます。デザイン性だけでなく、設備電気設備のイニシャル・ランニングコストの比較、消毒室の使い勝手など、使い始めた後の事もしっかりと検討しつつ次の段階へと進みます。

「おおよその形が決まり、実施設計へと事細かく色々と決めて行く中では私のイメージとプロのイメージには共通する所とそうでない所などももちろんあり、それをお互いの考えをお話しながら理解を深め、こうして歯科医院が出来上がって行くんだなーと、話し合いの過程がまた楽しくもありました。」

「見積りでは、私の提示した金額にできるだけ近づけた金額を提示してもらい、ほぼ当初お願いした金額で出来上がるんだなと安心しました。
図面や模型で見せてもらった形が実際に現場で建て上がっていく様を何度となく見に行く事で、どんどんと建物への愛着が湧いてきて、早く出来上がらないかなと竣工までを待ち遠しく感じました。」

右:地鎮祭・施工中現場と上棟式での餅まき。近隣住民の方に親しんでもらいたいというお客様のご希望で、シンプルに行われるのが多い近年では珍しくにぎやかで楽しい上棟式になりました。

5.竣工~OPEN

「出来上がって先ず、スタッフ・患者さん・業者さんの反応がなんたっていいです。
ある方にはかなりのお金がかかってるんでしょうねと言われたので今回かかった金額を言ったら、設計士さんに頼んでそこまでの金額で作ってもらえるんですかと驚いてましたよ。私は早く自宅を作りたくなりました。そうだ!何処かにPRODUCED BY 遠藤建築アトリエと何処かにわかるように入れて欲しいです(笑)
人間の先入観とは恐ろしい物で、敷居の高い設計事務所に依頼すると高額な金額が請求されると最初は思ってましたがそれは全くの間違えでした。
自分が作りたい建物のイメージと自分が出せる金額から、しっかりとした話し合いの中で形にする最高の方法は設計士さんに頼む事だと今回の歯科医院の建築をお願いして分かりました。お金には変えられない価値あるものを遠藤謙一良先生からもらいました。
開院した今はクリニック毎日行くのが楽しいです。
今までそんな経験したことありませんでしたが、建物の作り・雰囲気・匂い・肌で感じる暖かみ・明るさ・影などなど色んな事が体や精神に影響を与えているんだなと感じて来ました。またそこで患者さんや遊びに来る人や業者の人などとの会話がこの院内で出来る事、これは非常に大事な事です。47歳にしてこれを感じ取れた事は私にとっては、この上なくありがたいことです。」

建物が竣工し、無事オープンしました上江別歯科・矯正歯科。最高のご評価を頂きました。
M先生のもと、これから長い年月を人々に喜ばれ、親しまれ、地域のクリニックとして生きつづけることと思います。