RECRUIT

社長メッセージ CEO Message

建築の力で、より豊かな社会を。

 丹下健三は広島平和記念資料館の設計にあたり、資料館、慰霊碑、原爆ドームを一本の線で結ぶことで関係性を築きました。原爆ドームという負の遺産を平和のシンボルに変えてしまうという価値変換を行ったわけです。丹下が建築で歴史をつないだように、建築には単なる造形を超えて、価値を組み合わせたり、埋もれた価値を表出させる力があります。
 私は、洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌の設計で最初に現地を訪れた際、洞爺湖の近くにありながら湖の見えないこの場所にどんな価値が埋もれているのかを考えました。私はふと、裏手に昭和新山があることに思い当たりました。もしかしたらと思いクレーン車に乗せてもらったら、昭和新山、有珠山、洞爺湖、その奥には羊蹄山も見えました。つまりここに立てば地球内部の活動で生まれた活火山や美しいカルデラ湖といった「地球を肌で感じる風景」を体感できる。そこで築山と展望台を造り、そこに木造の建築をつなげることで、施設全体を環境と一体化させるアイデアが生まれました。
 建築が個性を競い合う時代は終わります。今は夜明け前。私たち遠藤建築アトリエもまた次の段階に行く時だと感じています。建築とは希望に向かう仕事です。それを託される私たちは「生き生きとした組織」であるべきです。それにはスタッフ同士がやさしさと敬意でお互いを信じ合えること、平等性を尊重した仕組みを組織として築くことが大切であると考えます。私がまだ描ききれていない理想の世界、その高みを目指すために、クリエイティブな組織へと進化する必要があります。一緒に成長できる人、次の時代を見通せる人たちに、ぜひ参加してもらいたいと願っています。

遠藤 謙一良

株式会社 遠藤建築アトリエ 代表取締役

遠藤 謙一良

スタッフインタビュー Stuff Interview

  • 2005年入社本間 裕章

    札幌市出身 / 北海学園大学工学部建築学科 卒業 / 一級建築士

    本間 裕章

    いい建築は、考え抜いたその先に。

     どの案件も、基本的には最初に遠藤がクライアントの要望を受け止めます。それから遠藤がスケッチを描き起こし、それをもとに僕らスタッフが構造や設備などの要素を加味してプランに落とし込みます。方向性が決まればそこからは詳細の詰め。おさまりを考え、随時遠藤と共有しながら揉んで、クライアントと調整し、監理まで責任をもって行います。
     クライアントが当社に期待することの一つはデザイン性の高さです。そのために僕らはディテールを突き詰めます。たとえば庇を薄く見せたいという意匠目標があった場合。厚すぎれば無骨になるから、シャープに見えるようできるだけ薄くしたい。そうはいっても構造材の断面や水を切る機能を軽視すると耐久性に影響します。一時の美しさを求めるがゆえに、無茶なディテールで品質を損なえば本末転倒です。意匠だけではなく、構造、機能性、施工やメンテのしやすさまで、トータルでコーディネートできたときに、何十年も快適で使いやすく美しい建築ができると考えています。歴史的建造物を見て僕らが感動するのは、表層的な美しさではなく、目に見えない深い所まで考え抜かれているからです。何年経っても色あせない「いい建築」をつくりたい。そのために大切なことの一つは、現場の方とのコミュニケーションです。建築現場には経験を積んだ方が多く、膨大な数の引き出しを持っていて、いつも本当に多くのことを教えていただきます。現場で吸収したことを遠藤とも共有しながら、「いい建築」をつくることに力を注いでいきたいと思っています。
     遠藤建築アトリエは、住宅やクリニックから、8000㎡を超えるホテル、福祉施設まで、さまざまな規模、構造、用途のプロジェクトを手がける設計事務所です。仕事の幅、経験量ということでは、小さなアトリエ系事務所と、大きな組織系事務所のいいとこ取りといえるかもしれません。さまざまな経験を積んでスキルアップしたい方にとっては、またとない職場です。興味のある方は、ぜひ飛び込んでほしいと思います。

  • 2009年入社荒木田 ちぐさ

    江別市出身 / 北海道科学大学工学部建築学科 卒業

    荒木田 ちぐさ

    人生に深く関わる仕事。

     遠藤は「1+1を2以上にしよう」と言います。つまり、私たちの仕事はただ遠藤から言われた通りに線を引くのではなく、遠藤と一緒に設計する意識が大切だと考えています。たとえば一緒に打合せに参加しても、お客さんから聞いた言葉の捉え方が遠藤と私とで異なる場合があります。お客さんが言わんとしていることは何か?建築を通して何を実現したいのか?納得できるまで遠藤と話し合い、私もアイデアをどんどん出しながら、より良いゴールを目指します。
     そういう仕事の進め方ができるようになったのは入社して5年目ぐらいからかな。正直、最初は苦労しました。今より会社の規模が小さかったこともあって、新人の時からプロジェクトをまるごと受け持つことが多く、壁にぶつかることの連続。構造、設備、法律。お客さんの要望だけじゃなくいろんな条件をまとめあげて一つの形にする建築の難しさに直面しました。その後もさまざまな経験をさせてもらい、たくさん失敗して、できることが少しずつ増えていきました。大変だったけど、充実感はすごくあったな。
     建築はお客さんの人生に深く関わる仕事です。住宅でも、病院でも、教育施設でもそれは同じ。クリニックの計画では、ドクターの生い立ちから現在の状況、建築を通じてどんな将来を思い描いているのかを聞き出し、それを形にしていきます。引き渡した後、クリニックがはやって、数年後に増築の依頼をいただいた時には自分のことのようにうれしくなります。人との関わり方が濃い。だからこの仕事は面白いし、やりがいがある。その分、責任も大きいのだけれど。
     昨年、1年間産休・育休をいただきました。出産後の仕事復帰は会社としても前例がなく、復職までの期間や休んでいる間の担当案件の進め方など、ベストな方法を会社も一緒になって考えてくれたのはありがたかったですね。家庭も仕事も、私にとってはどちらも大切。子育てとの両立はこれからの私のテーマです。

  • 2014年入社横木 達雄

    富良野市出身 / 室蘭工業大学建築コース(院) 卒業

    横木 達雄

    EAAだからできる。

     遠藤建築アトリエが手がける建築には、定型化されたフォルムや固定化された考え方はありません。毎回ゼロから。非効率で手間もかかるけど、枠にとらわれず新しいものを創り出し、建築を通して社会課題にチャレンジすることを遠藤は目指しています。ときに遠藤の考えはスケールが大きすぎて、スタッフといえど、ついていくのが難しいこともあります。そのため現在はチーム制を取り入れ、チーム内でプロジェクトの進捗状況や内容を共有し、僕ら中堅が若手をサポートする仕組みにしています。プロジェクトの難易度によって一部を担当してもらうこともあれば、まるごと任せる場合も。それぞれのできること・望むことを考えてグラデーションのある仕事の割り振りをし、経験を積み重ねながら、できることが増えていくようにしています。
     僕たちの仕事は、オーナーさんの願いと、それに対する遠藤の考え方を、翻訳してジョイントする役割だと考えています。でも、単なるドラフトマン(製図工)では僕自身も楽しくないから、必ず何か一つは担当した意味が残るように、アイデアを提案することを入社以来心がけてきました。HAKUBA MOUNTAIN HARBORのプロジェクトでは、一番見せたい白馬三山の絶景が展望台に出るまであまり見えないように、建築で目隠しするというストーリーを遠藤と話し、一緒に空間構成を考えました。山にせり出す展望デッキが話題となって夏の観光客が10倍に増えたり、国民的アニメのオープニング映像に登場するほど地域のシンボルとして認知されるというのは、プロジェクトメンバーの一人として素直にうれしいと思います。こうしたプロジェクトの前線で参加できるのも、遠藤建築アトリエだからだと思うんです。いろんな地域、いろんな規模、いろんな用途の建築に携われる。アトリエ系設計事務所でここまでの経験が積めるのは、すごくありがたいことだと改めて思います。

  • 2018年入社白戸 採希

    函館市出身 / 北海道科学大学工学部建築学科卒業 / 一級建築士

    白戸 採希

    この道を、一歩ずつ。

     大学を卒業して本当は意匠設計の仕事に就きたかったのですが、最初は施工会社に就職しました。その後、たまたま遠藤と出会う機会があり、「やりたい道を突き進んだ方がいい」と声をかけてくださり、入社にいたりました。
     大学で建築を学んではきたものの、実際プロジェクトに携わるとなると、図面の描き方も、お客さんへの対応もわからないことだらけでした。最初の頃は一人で思い悩むことも多くて苦労しましたが、数年前にチーム制が導入されてからはチームでスケジュール管理や情報共有をするように。描いた図面をチーム内でチェックしてもらったり、プレゼンで話す手順や資料の作り方をアドバイスしてもらったり。先輩方の仕事の進め方にもふれるうちに、だんだんと自信を持って仕事に打ち込めるようになりました。
     会社には、資格取得の相談にも乗ってもらいました。毎週日曜日に講座へ通っていたのですが、アポが重なってしまったときには社長一人で打合せに行ってもらうことも。試験前には1週間のお休みをいただき、万全の準備をして試験に臨んだ結果、一級建築士の資格を無事に取ることができました。
     入社から5年。自分の描いたものが形として出来上がっていくのを見るのは、どれ一つとして同じものがなく、毎回ワクワクします。担当したプロジェクトのお客さんが、引き渡し後も気に入って過ごされている様子を見たり聞いたりすると、「あの時は大変だったけど、やってよかったな」って思います。
     お客さんの要望にただ従って図面を描くのではなく、遠藤建築アトリエとしていかにプラスαの価値を建築に付加できるか。それはとても難しく、毎回悩んでばかりです。図面を描くといった基本的なスキルももっと上げる必要があります。会社にBIMが入ったので、それも早く使いこなしたい。設計士として一人前になるため、まだまだ勉強中です。

社内スナップ Snapshot