ミネルヴァ書房から出版されました「建築は自然への捧げ物 フランク・ロイド・ライト」を読みました。
ライトの建築を改めて見たいと昨今ちょうど自分の中で考えていたのもあり、書店で手に取りました。
筆者は大久保美春さんです。
日本人の著者であるので論点が若干日本寄りではあるのですが、10代の頃よりライトが日本から大きく影響を受け、作品にも強く影響が現れている事が伝わる新鮮な内容でした。
シカゴ博での平等院をベースとした展示は初作や、後のプレーリースタイルへとたびたび造形として、表れていたり、浮世絵のような図法や日本の庭園文化や滝の庭にふれ、名作落水荘につながった事が連想されます。
70才で落水荘が竣工し、亡くなる92才の翌年グッケンハイム美術館が竣工しました。
非常にタフに、諦めることなく建築をつくり続けた偉大な作家です。
7回の来日や膨大な浮世絵のコレクションを通して、自然と共生する日本の建築や庭園に魅せられて、それはいつの日かライトの哲学の一部となりました。
遠藤謙一良
(写真:巨匠フランク・ロイド・ライトより)