2024年9月建築を巡る旅をした。
主にイタリアの建築家カルロ・スカルパとポルトガルの建築家アルヴァロ・シザの作品を中心に、イタリア(ヴェネチア、ヴェローナ)、モロッコ(カサブランカ、ラバト)、ポルトガル(ポルト、アマレス、リスボン)、カナダ(バンクーバー)の4か国の街に滞在、建築家の作品や世界遺産を体感し、多様な文化にふれた。
モロッコは暑い気候だったが、その他の国は過ごしやすい気候。
海上都市であるヴェネチアには夜中に空港入りしたにもかかわらず、海上バスが運行し、サンマルコ広場に到着。
400年以上の建物をつないだ古いホテルを拠点に、海上移動したり島中を歩いて、街を終日体感した。
満潮の夜には歩道が一部浸水し、よく見ると石造りの建築の玄関に防潮用ガードが備えられていた。
建築家カルロ・スカルパの名作ブリオン家墓地は、石とコンクリートでつくられ、水と緑の中にゆったりとお墓と向き合う構成が印象的。
何よりも圧倒的造形力はオリベッティショールームのインテリアの家具や階段の構成で、彫刻的に繰り返される幾何学は、家具に近い繊細なスケール感で、自由自在に大理石を操るヴェネチア建築の歴史に通じるものがあった。
ヴェローナ銀行、カステルヴェッキオ美術館も訪れた。
カステルヴェッキオ美術館は古城を美術館に改修する計画で、既存の空間をシンプルで高質な美術空間として昇華し、特徴的な扉でシークエンスを整理。建築が外部と接続される空間で、階段と古城の圧倒的な建築を背景に、空中に構成された騎士の彫刻は、スカルパの創造力にふれる素晴らしい空間であった。
ヴェネチアの歴史を今に受け継ぎ、石を知り尽くし、土地が生んだ建築家の圧倒的な仕事にふれた。
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