旅の2日目はメキシコの建築家ルイス・バラガン(1902~1988)の作品を日本人ガイド竹下さんの案内で最初にカトリックの世界で三大奇跡のひとつとされるマリアが描かれた奇跡のマントが安置されるグアダルーペ教会へ。建築はメキシコを代表する建築亜ペドロ・ラミレス・バスケスによる吊り構造の建築です。 次にドゥラルパンの礼拝堂を訪れました。 バラガンが私財を投じた空間は午前中ステンドガラスで黄金の光に教会全体が包まれ、祭壇に向かって左側からもスリットで斜めに光が差し込み、光を受けているはずの十字架がサイドの光で図像として浮かび上がり、言葉が出ないほど美しく、柔らかく、それでいて神聖な、すばらしい空間でした。
一作目から心打たれ、次に現在世界遺産登録されたバラガン自邸を訪問。 メキシコの街中の建築はファサードが道路すれすれに建っており、そっけなく中の様子がまったくわかりません。 次に室内のプールに差し込むスリットの光で有名なギラルディ邸へ。 現在ギラルディ氏から受け継いだ方が当時のままの姿(備品まで)そのままに住まわれご好意で公開いただいた。 アプローチの黄色の光の廊下、青、赤、白の空間に光が美しく流れるプールの食堂は不思議な雰囲気の空間でした。 非日常性が強いこの空間は何なのかいろいろと考えました。
次にサテライト・シティー・タワーを通過し郊外にあるサン・クリストパルへ。 天気も小雨から快晴となり青い空が夕方にさしかかる時間に訪れた。 広大な敷地の中、住宅の後方にピンクのフレームとプールと水路からそそがれる壁で構成され右奥に馬舎が置かれている。 訪れた時は持ち主の奥様がわざわざ水路の水を流していただき、8頭位いた黒い美しい馬をつれてこられ歓迎していただいた。 さらに奥に馬術のコースもある。水面に映るピンクのフレームと樹木と青い空はなんとも美しく優雅な風景で特別の時間と空間が体験できました。長時間掛けて来たかいがありました。
メキシコシティーは青い空と水と緑の国です。 中に入ると奥に深い敷地を生かし樹木が繁る庭に大きなガラスの居間があります。 正方形の窓に形どられ家具が要所要所にバランスよく納まり高い天井で空間の一体感を感じながら静かなアトリエへ。また木の片持ち階段で音楽の空間につながっている。アトリエは黄金の床で光が反射。テーブルにはプリッカー賞のブロンズ。 食堂は窓がおさえられ照明が大切にされている。上方の光に導かれ寝室そして壁に囲われた屋上はバラガンの大切な思索の場だったという。 レベル差の中で様々な空間がつくられ光や風景をたくみに採り入れながら住まい全体が1つのハーモニーとなって共鳴しているような美しい静かな空間でした。