日光のプロジェクトも、外装にかかり杉板張りの施工が進んでいます。節の少ない美しい外壁となりそうです。
アレックス・カーの美しき日本の残像・犬と鬼
京都で古い街屋を改装し、宿泊施設を運営しているアメリカ人を以前メディアで知り、興味を持ちました。彼の名はアレックス・カー。幼少期を日本で過ごし、日本に憧れアメリカの大学で日本学を専攻し、36年前に来日。以後京都を拠点に日本文学に関わる仕事をしてきました。
日本への深い思いと、日本での出来事をつづり、かつての日本の美しさの本質に迫った「美しい日本の残像」は、日本で建築をつくる私にとって大切なことを改めて考えさせてくれる印象的な内容でした。
すぐさま同じ著者による「犬と鬼」を読み始めると、前著で触れられた日本の歴史的風景や文化のあまりにもはかない喪失について徹底的に書かれており、経済的繁栄を実現した一方で大切な大切な日本の骨格を失いつつある事を改めて知る、悲しく痛みを感じる力作でした。
データに基づく内容は説得力があり、考える以上にこれからの日本は大変な状況となることが予想されます。
あえて、これから進むべき方向性については触れられていませんが、全ての大人が深く考え、お金ではない本質的な豊かな社会をつくるため、行動できるかが問わてれます。
久々に衝撃的な内容です。