4月に静岡県御殿場市の山中にある倫理研究所富士高原研修所を訪れました。
あいにくの雨でしたが、静かな中でゆっくりと建築と向き合う事ができました。
設計は建築家内藤廣。木造の伝統的在来工法の仕口の延長にある軸組みに興味があり、ようやく見学できました。
大きな外部空間を囲むように共用スペースから宿泊スペースがゆっくりと回廊でつながり、人が集まる空間に傾斜の登り梁で包まれた空間が、回廊でつながる要所に現れる構成です。
登り梁が組み上げられ、木組みの美しさと、包まれる心地良さを体感できます。
柱と壁はコンクリートと鉄で空間を明快に構成し、時に大きな開口部を実現しています。
大断面の木造によらない日本の木造軸組みの繊細で外部空間と対応したスケール感の良さを感じました。
一見地味ではありますが、高い技術の進化に感心しました。
日経アーキテクチュア(2001年10月29日発行)より