3年に一度開催されるJIA北海道建築大賞第2回には27作品が提出され、9月28日モエレ沼公園での公開審査により1次・2次審査で8作品が選定されました。11月25日3人の審査員(飯田善彦審査委員長、小篠隆生審査委員、磯達雄審査委員)により現地審査が行われ、EAA新社屋が小篠審査委員賞を受賞いたしました。
JIA審査委員会の皆様には全道8カ所を3日間巡って頂き、真摯な評価に感謝申し上げます。ありがとうございました。
第2回JIA北海道建築大賞HPより賞評を掲載致します。
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小篠審査委員賞/E OFFICE PROJECT
遠藤謙一良 株式会社遠藤建築アトリエ
北海道において快適な執務空間と多様なアクティビティを受容できるプレゼンテーションスペースを木造と室内環境性能の最大限の可能性を追求しながら結実させた作品である。敷地南側は、両側に豊かな街路樹が並ぶ気持ちの良い街路で、それに向かって十分に断熱性能が確保されたトリプルガラスの木製サッシュは、ほぼ全面に開かれており、気持ちの良い都市景観を享受することができる。屋根は、間口約6.5m奥行約20mのワンルーム空間を高度な接合部のディテールと木造施工技術を用いた木造HPシェルを構成して支え、1日の変化の中で光が様々な方向から回り込む気持ちのよい空間が生まれている。木造の構造材も素地が美しいエゾマツを原木の段階から丁寧に加工し用いている。また、室内環境は、流体解析技術であるCFD解析を用いた温熱環境シミュレーションによって、最適な暖房効果を得る室内の空気流通を促す、床下暖房を実現させている。様々な技術や蓄積された眼力の高い知見を用いながら、理想的な北海道建築のショーケースが出来上がっている。
(審査委員 / 小篠隆生)