小樽の街中から余市方向に向い海岸沿いに国道5号線を走ると、蘭島の手前に小さな湾に面して忍路があります。市内より10km以上離れた商店もなく漁業を中心とした小さな集落に大変美味しくシンプルなクロワッサン等を石釜で焼くパン屋があります。閉まっていたり、売り切れであったりとなかなか買う事が難しかったのですが、先日久々に休日に買うことができました。丁度昼時で車が何台も止まり、買い物する客で海を見下ろすお店の前は賑わっていました。海を眺めながらランチを楽しんでいる人々の風景はなんともゆったりした豊かさを感じました。地方の疲弊を目にしますが、一方で地方から発信している元気な人々、お店があります。忍路のお店も大変気持ちの良い環境で石釜で焼かれた上質でどこにもない味を提供している真のオリジナリティが人々の心に届いていると思います。今一度身の廻りにある素晴らしい環境を見つめ直し、求められるテーマ設定をしっかり考えると北海道は可能性で溢れていると思います。
賑わっているお店や施設・場所には必ず人々を集める場所としての力を持っています。場所の力は環境×創造×行動と考えます。人々の場所を求める感性とエネルギーが新しい風景をつくることを信じ、これからもDesign Spilitを探していきたいと思います。偶然にも近くにいくつもの空間の原点ともいえるストーンサークル(3500年位前)がありますが、何とも落ちついた心地良さを感じました。