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土門拳記念館

1983年竣工の写真家土門拳の記念館。

山形県酒田市の美術館が隣接する広い公園内にある。

小高い山を背景に、水面に浮かぶ構成。

アプローチから、イサムノグチの中庭に向かい、明るい玄関から光のない長い通路を経て、展示空間に至る。

矩形の展示空間がレベルをかえてつながり、主な展示空間は、床が下がり天井4m位の広がりのあるゆったりとした構成の中、大版の作品が心地良く、無駄のない緊張感の中で鑑賞できる空間となっている。

展示空間から水面に浮かぶラウンジ空間の途中に、イサムノグチの庭を左手に望む。

土門拳の作家としての骨太でエネルギーに満ちた感性が、ランドスケープの大版の自然石と流れる水流の反射光と、自立する彫刻にしっかりと表現されていた。

最奥の空間は、水面に開かれた圧倒的な自然と静かに向き合い、背面は小山に続く硬質が石庭と緑のバランスが美しい庭の空間で終わる。

 

久々に純化され、感性に響く、生命と知性に満ちた素晴らしい空間を体感した。

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