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小樽市都市景観賞「OMO5小樽」「住吉神社参道等の整備」

第25回小樽市都市景観賞が上記2点で選定されました。

私は小樽市都市景観賞選考委員長として、今回現地審査を含め選考に関わりました。

OMO5小樽は、旧小樽商工会議所として1933年竣工し、石川県産千歳石で外装された歴史的建造物で、今回耐震改修され、ホテルのレストランや客室として再生。小樽商工会議所は建築をそのままの状態で再利用できるオーナーを10年以上かけて探し、今回の再生に至りました。
外壁の石も同じもので丁寧に再生しているように見受けられ「北のウォール街」に新たな灯りがともりました。

歴史的建造物を巡り、その文化価値を十分に理解した者同士が、時間とコストを十分掛けて建築文化と風景を継承し再生した意義が大きく、小樽にとって大切な価値の創造が実現しました。

住吉神社は、小樽の中心に位置する鎮座144年を迎える神社の参道改修が、都市景観賞に選ばれました。

現地を訪れると、坂道となる参道の階段踏み石の奥行と蹴上(高さ)を低くおさえ、大変歩きやすく改修し、赤鳥居でスロープも併設されました。

石段は竣工時の茨木産御影石を取寄せ、不足分を補い新旧融合した美しい再生が実現。

また、参道両脇にある鬱蒼とした樹木を剪定し、港と石狩湾の海を望む視界が広がり、海からも住吉神社を望む大切な景観形成が実現しました。

両作品に共通する大切な視点は、建築に対する深い文化的見識とこれまでの時間と人々の記憶に対する敬意が基本となっており、再生にあたり、それに相応しい時間・技術・費用を十分掛けて実現に至りました。

小樽の文化の背骨を形成する風景が大切に継承再生されたこの景観賞は、大変意義深く、歴史的建造物を多く有する小樽にとって大きな指標となると感じます。

https://www.instagram.com/endo_architectural_atelier/

 

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