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旧小樽北海製罐第3倉庫~現代美術館 試考1

2012年7月21日~29日の9日間小樽市の北海製罐第3倉庫にて、NPO小樽ワークス主催のアートプロジェクトを開催しました。

当時倉庫として現役であったため、小樽運河に面するバルコニーを主に、山田良氏による作品制作、ライトアップと、建築史家駒木定正氏による建築についての概要を配布。

100年近い建築の背景と小樽運河の環境と一体となったアート作品は、新たな建築の可能性=再生、歴史継承の新しい形を示す試みとなりました。

2021年7月21日~25日には、小樽市美術館にて展覧会[北海製罐第三倉庫と北運河の未来を拓く]を開催し、第三倉庫の現代美術館としての再生と、北運河の商空間としての再生について、ダイヤグラムと図面にて展示しました。

小樽運河がフルサイズで保存された北運河エリアは、旧日本郵船小樽支店と旧手宮鉄道施設の2つの重要文化財と、小樽運河の土木遺産、また日本で3番目に敷設された旧手宮線の産業遺産が集約する日本唯一の文化的環境です。

耐震性について検討は必要ですが、第3倉庫はスケルトンの大空間が4層あり、その空間を極力活かす現代美術館は、エリアの文化的中心となって北海道・小樽の新しい可能性を拓くと考えた提案です。

かつての小樽は、鰊漁や貿易港と鉄道が直結した北海道経済の中心地として栄え、商業・文化が繁栄する活気に満ちた心躍る街でありました。

ここ20年経済GDPが変わらない状況の中で、新たな経済創出の可能性の一つとして、観光・インバウンド訪問の一つとして小樽の魅力を改めて再考すると

1.海・山の亜寒帯湿潤気候、自然

2.建築遺産(重要文化財3件)、土木遺産、産業遺産

3.有形・無形文化

4.海鮮等の質の高い食文化

があり、上記の観光資源をインバウンドや国内旅行者にじっくり楽しんでもらう工夫や、活きた形として再生を試み、点ではなく線で繋がり、街並みや街として楽しく、どこにもない小樽固有の歴史と繋がる楽しい環境の創造が、一級の環境都市として再生すると考えます。

その中心施設として、旧北海製罐第3倉庫の現代美術館としての再生は、北運河の周辺環境を含め、どこにもない観光名所となり、訪れる人に心躍る(わくわくドキドキする)、深みのある街が実現します。

当然現代美術館としての内容と運営の質の高さが条件となりますが、世界中、日本中に美術館の優れた試みはあるので、可能性を創造するのはさほど難しくないと思います。

第3倉庫の役割を終えた今=When、場所に拘り=Where、小樽市が=Who、現代美術館を指向し=What、市民や訪れる人々に深い感動を創出=Why、旧北海製罐第3倉庫を美術館とし再生する事=How

目的と対象を明確にし、現代美術を相対的(日本・世界の事例)、絶対的に思考し、人々が訪れ感動する街は、結果として大きな経済効果に繋がり、北海道が大きく観光地として転換する中で、中心の一つとなる事を目指す提案です。

現代美術館を中心に、回遊型の新しい街が北運河に創出する事で、さらなる発展を目指します。

https://www.instagram.com/endo_architectural_atelier/

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