9月25日~28日まで建築家大会で岡山に滞在。
大会では担当の文化財保存再生会議に出席した。
日本での国宝・重要文化財12500、登録有形文化財9000に対し、イギリス60万、ドイツ90万と桁違いの文化財の違いでより充実した文化財の環境が求められている事が話し合われる。
ウェルカムパーティーは倉敷国際ホテルで出席。
ロビーに棟方志功の世界一大きい版画がある趣のある空間。1964年建築家浦辺鎮太郎設計、日本建築学会賞受賞作品。
翌日の基調講演は、フランスから日本文化に詳しいオギュスタン・ベルク氏「建築の再コスモス化は可能か」のテーマで講演。世界の近代化が失われた地域やさまざまな文化・生きられた地域社会(コスモス)の大切さと現在の構造的問題点を伺う。
今最も大切で共感するテーマのお話だった。
セミナーの間を縫って、倉敷の美観地区へ。
面積が21ヘクタール、江戸時代からの歴史的建築物の風景が川にそって保存され、美しい風景が形成されている。
大原美術館・倉敷アイビースクエアーまた良いお店が多くあり時間を忘れて楽しめる環境だ。
また是非ゆっくり立ち寄りたい。
岡山では後楽園(日本三大庭園)を歩き、建築家前川國男による岡山県庁舎、翌日には船で犬島へ渡り、歴史的建造物で、そのまた美術館となっている犬島精錬所美術館を訪れる。
歴史の時間を確かに刻む遺構を活かしアートで展開される空間は光・風・空調全て太陽と地熱の自然エネルギーで維持されている。圧倒的な時間の深みとアートのテーマが重なり、心に深く記憶に残る空間となった。
他に島の中に展開されるアートを巡り、島を離れその足で備前の国宝閑谷学校へ。
1673年会館の学校で講堂の回廊で囲われた空間が光の窓でつつまれた美しい空間であった。
いつも感心するのが、黒光り光りする床板の状態で塗料も340年もっているのかは不明だが木材の加工・仕上げの状態の美しさには言葉を失う。
しばし光りの反射に包まれる空間を堪能した。
屋根瓦の備前焼も快晴の緑の山並みの中で華やかに美しく輝いていた。