先日、建築家Livのメンバーと建築研修ツアーに行ってきました。
東京では建築家フランク・ゲーリー展、ノーマン・フォスター展をみました。
フランク・ゲーリーは自由自在に見た事もないような造形・表現を目指す建築家で
ビルバオのグッケンハイム美術館が有名です。
ゲーリーが61歳の時に曲面の建築にチャレンジし、建築におけるコンピューターの可能性をとことん追求し
20数年経て全ての技術・施工・コストを同時に進め表現とコストを含めた合理性を追求した複雑な
建築を短期間で実現しています。
予算のせいにしないクリエーターの創造力にこれからの方向性を感じました。
ノーマン・フォスターは世界で最も優れた建築家の一人です。
私も28年前フォスターの建築に魅了されイギリスでルノー工場などを訪れました。
1000人を超えるチームで住宅から大きな空港や都市計画まで手がけています。
全てがチーム力で最良な形にデザインされており、ゲーリー同様の建築をつくる哲学が一環している事を感じます。
素晴らしい展覧会で、また実物を見に行きたいと思いました。
夕方、新幹線で京都に入り翌日予約していた国宝妙喜庵・待庵(利休)を見学。
午前中にもかかわらず薄暗い中じっくりと中を見ていると鈍く空間と構成している壁や天井・框・柱が
光の変化で豊かな表情をみせます。
良く見ると空間も入隅が曲線で押さえられ狭さを感じさせない工夫が随所に施され身体にほど近いスケールが
茶を楽しむ客と亭主をほど良く包み込む至極の空間が想像できます。
写真は近くの博物館にあるレプリカです。
近くにある昭和実験住宅聴竹居を訪れました。
昭和3年につくられた建築家・藤井厚二の5作品目の実験住宅です。
翌日、西陣の呉服問屋で栄えた富田屋を見学し東福寺の造園家・重森三玲の八相の庭をみました。
中庭が印象的な富田屋、モダンに構成される三玲の庭はモダンに研ぎ澄まされまるで生物のように
空間が生き生きとして日々の手入れと自然と向き合う日本の空間に気持ちが洗われる思いでした。