昨年夏に箱根のポーラ美術館に行ってきました。
箱根の山中にある山の斜面に埋め込まれた形状の建築となっており、アプローチからは小さなガラスの入り口しか見えません。
断面は斜面に沿って5層の構成となっており、3層の一部が地上に現れ、美しい風景に要所が開かれています。
長いアプローチが心地よく、最上部の玄関から周辺の環境と下方に広がる美術館の空間が同時に見る事が出来、そのパノラマの展開に圧倒されます。
エスカレーターで下階に下りる前方にスカイライトが2層に渡り展開され、空と森を大量の光の中で味わう空間体験は新鮮で大変気持ち良い空間です。4層につらなる壁面と天井は内照されたフロストガラスで、柔らかな質感をつくりだしています。
休憩するカフェ・レストランは大開口で森にテラス越しに拡がり、傾斜した中で変化に富んだ空間づくりを実現しています。
ポーラ美術館はオーナーの高い意思・理念、すばらしい環境・景観の設計思考と施工技術、展示される名作の美術コレクション、と全てが最高レベルで指向された建築です。
東京から3時間以上かかりますが、時を忘れる、最近の中で間違いなく最高な建築の一つでした。
ポーラ美術館 HP
http://www.polamuseum.or.jp/index.php
(遠藤謙一良)