盛岡―
子供の頃より南部鉄ビンを毎日使い錆びて変化する内側の器を使う不思議さと愛着が重なり、また鉄器の黒光りするテクスチャーがステンレスやアルミ等他の金属にない鈍くまた変化する事で時間と儚さとと強さを持った魅力を感じていました。
南部鉄器の本場盛岡に行く機会があり3店ほど専門店を回り様々な器をみる事ができました。
鉄が豊富な土地柄で400年の歴史があります。特に“釜定”の宮伸穂氏の作品は日常品が主ですが素材と技術と造形力が1つになり素晴らしいものでした。
伝統技術と独特の素材にデザインの視点が加わることで大きな可能性を感じました。
材木町の光原社も個性溢れる空間と商品が並び伝統の力を感じる場所です。
旅の中で遠野の古い寺にふれ宮大工菊池棟梁のお話を聞く機会があり槍鉋(やりがんな)の実演をみたり薬師寺を造るプロセスや仕事、木へのこだわりを伺い改めて物づくりという夢の可能性の大きさを実感しました。
(遠藤謙一良)