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Chill Out

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先日、雑誌 BRUTUS の特集「 Chill Out 」を読みました。
書店で雑誌のタイトルや特集をたまに眺めていると、時代の空気が良く表現されていて興味深いのですが、どうやら時代は心と身体の時代のように感じます。
いかに心身ともに快適であるか、心身のリラックスをテーマとした特集でお店やファッション・旅行・食事・家具・住宅と、あらゆる環境が個人の快適性を主なテーマとしているのが良くわかります。
そんな中で雑誌 BRUTUS「 CHILL OUT 」の中に脳科学者 茂木健一郎 氏のコラムを興味深く読みました。
以前、建築の本質は Live Space (生き生きとした空間) を目指す事と記しましたが、彼の文章の中に、そのヒントが多く書かれていました。

(以下 雑誌 BRUTUS「 Chill Out 」から一部引用)
〝明と暗、寒と暖、大と小。
 人間の脳はもともと、非常に「コントラスト」を好む傾向があります。
 なぜなら、脳の中ではすべてがコントラストで表現されているから。
 「明」そのものにも、「暗」そのものにも情報はありません。
 ただ、明と暗のコントラストにこそある。
 それは人間が、昼と夜という強烈なコントラストを描く、地球という惑星の上で脳を進化させて
 きた生物だからです。
 常に変化のない環境に暮らす生き物ならコントラストは必要ありませんが、人間、そして地球
 上のあらゆる生き物は、コントラストを糧として生命を養うように自身を作り上げてきたのです。
 だから僕たち人間もまた、安逸と熱狂というコントラストを愛さずにはいられません。〟

地球が持っているリズムと人間の肉体と精神のリズムが同様であること、
言われると当たり前の様な気がしますが、読んで目からウロコが落ちる思いでした。
大きく捉えると、文化のダイナミックな幅そのものが地球の変化と対応していた、生と死を幅広く受け入れる Live Space。
今、手掛けている住宅やクリニック、商空間の保存など建築活動全てに共通する ” 生きた場所 ” をつくる事を改めて確信しました。

(遠藤 謙一良)

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