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フランス・パリ旅行(4)

今回の旅の目的の1つは、1980年代~1990年代ミッテラン政権時代のパリ・グランドプロジェクトを見る事で、新凱旋門グランド・アルシェ、アラブ世界研究所、パリ国立図書館、グランルーブル、オルセー美術館、バスティーユオペラハウス等、今の新しいパリの顔がこの時代に”文化の都市である事”を明確に表現し、また、より成熟した都市を目指して再編されたコンセプチュアルな巨大都市プロジェクトでした。 私も学生時代に研究室でバスティーユ新オペラハウスの国際プロジェクトに参加し、徹夜してつくり上げた事を覚えています。 次々と世界的コンペで中世からの都市に新風を注ぎ、また、自ら今やフランスを代表する建築家ジャン・ヌーベルやドミニク・ペローを世に出したフランスの底力は、フランスという国・国民・大統領が、明確に時代にあった魅力的な文化都市を築く事を求めた強い意志が原動力となっています。 羨ましい限りですが、私も強い意志で建築や街をつくっていきたい、出来る事を1歩1歩確実にやっていきたいと思いました。       —————————————————————————————————————–新凱旋門  新凱旋門はルーブル・凱旋門と道路で一直線に続くパリ郊外の新たな街につくられた建築で、白い大理石でゲート状に形作られた建築です。 吹抜けの空中を登るカプセル状のエレベーターが特徴的で、階段の大きな基壇が印象的でした。 残念ながら外壁の汚れが目立っていました。     ———————————————————————————————————アラブ世界研究所 アラブ世界研究所はセーヌ川に面したガラスの建築で、イスラムの幾何学形をモチーフにした光をカメラのレンズのように絞って調整する、光溢れる美しい建築です。 内部は天井が思ったより低く、空間も単調でしたが、直射する光によってエキゾチックで不思議な光に包まれる印象的な建築でした。 訪れた時も雲から途中、太陽光が差し込み、空間が激しく変わる事を運良く体験できました。      ———————————————————————————————————–パリ国立図書館 オルセー美術館・ルーブルのピラミッドは最も素晴らしかったですが、以外だったのはパリ国立図書館です。 真四角のガラスの高層建築が四隅に建ち、中央が階段の基段に囲まれた中庭を持つ形態で正直ガラスのモダン建築があまりにも古典が並ぶ街並に唐突ではないかと思っていましたが、最も良い建築の1つと考えを改めました。 基段は平地のパリの中でセーヌ川に面した新しい丘となり、大変気持ちの良いロケーションをもたらし、周囲と断ち切られた中庭は緑に溢れ図書館に相応しい内証的で静かな空間がつくられていました。 利用者も多くフランスの本質に触れた気持ちとなりました。 水平の基壇の上に垂直に伸びるガラスのタワーはパリの風景に新鮮で、また、新しい可能性を示す気持ちの良い素晴らしい建築でした。   ——————————————————————————————————–国立自然史博物館 (遠藤 謙一良)

フランス・パリ旅行(3)

オルセー美術館で見た彫刻家フランソワ・ポンポンの白熊が素晴らしかったです。 長くロダンのアシスタントで仕事をし、60代で現在残る動物の柔らかいフォームの彫刻を創ったそうですが、力強い色々な表現をベースに柔らかく流れるように表現された形は独特の存在感を持ち、非常に親しみに満ちた作品で印象的でした。レプリカを持ち帰り楽しんでいます。    もう1つ、2006年セーヌ川沿いに建てられた建築家ジャン・ヌーヴェルによるケ・ブランリ美術館を訪れました。 アフリカ・オセアニア・アジア等の第三国の様々な民族美術を展示した美術館で、広い敷地に広がる樹木や植栽の上に浮かぶカラフルな曲面とブースが印象的な建築です。 アプローチを含め長い動線の先に暗く、深みのある世界が展示美術と共に空間表現されています。 岩肌のように仕切りを皮でつくり、赤い色とあいまって生命力あふれる空間でした。       ここでもショップで小さなカバを購入しました。 (遠藤 謙一良)

フランス・パリ旅行(2)

   目的の1つが美術館巡りでルーブル美術館・オルセー美術館・オランジェリー美術館ポンピドーセンターを4日に渡って訪れました。 ルーブル美術館は元宮殿でパリの中心にあり、ルーブル美術館が20年以上前に行なったグランドプロジェクトで増設されたピラミッドが、凱旋門・新凱旋門と時代を経て1つのラインにつながる計画は意義深いものを感じます。 ルーブルは有名なモナリザ・ラファエロ・ミロのヴィーナスなど名作が多くあり、他にも作品が驚くほど展示され、とても半日で見る事は不可能であり、圧倒される規模ですが、地下空間で中国人建築家I・M・ペイの改修は見事であり、都市の歴史的にもしっかりと対応した素晴らしい建築でした。    オルセー美術館も元駅舎を改修してミッテラン大統領の時代につくられた美術館で、建築を覆いつくすガラスヴォールト屋根が印象的な大変美しい美術館でした。圧倒的な名作数のコレクションを見る事ができます。 特に印象派の作品は、多くの名作にふれた後に何とも心地良いものが今も心に残るほど美しく、豊かな世界が表現されていました。 館内のレストランも素晴らしい施設で、また、ショップも大量の美術書を展示した知性あふれる充実した環境をつくっていました。      オランジェリー美術館も外観は様式建築で内部をモダンに大きく改修し、モネの大作等が厳選されたコレクションの中規模な美術館です。 ポンピドーセンターは現代美術を展示する多様性をもった空間で、石造の街並に鉄骨で設備が剥き出しになった表現は異質ですが築後32年となり、良い意味でのパリの大切な場所の1つになっていました。 特に傾斜した広場は劇場のようでもあり、多くの人が座り寝ころび、またアートパフォーマンスが行なわれ、人が集まり楽しむ環境が実現していました。 他にも進化博物館等多くの博物館・美術館を有し、建築も時代を越えて新旧さまざまな形で工夫・活用されていたのが印象的でした。 また、小さな子供から高校生まで各施設を思い思いに教室代わりに利用している光景もうらやましい環境でした。    

石狩 K HOUSE

去年より施工してました、鉄骨構造の住宅が出来上がりました。 構造やルーバー、まだ未完成ですが、フェンスは全てスチールメッキ処理で造りこみました。 ランダムなルーバーのリズムが外壁面に変化のある影を落としています。

「Liv建築家~ニバル」

  4月4日(土)・5日(日)の2日間、札幌ファクトリーで建築家プラザLivの春のイベントが開催されました。 建築家6名と賛加企業9社で行われ、アトリウムに展示スペースを設け、家造りの旅と称して曲面でつながる壁のブースを巡ると家造りのプロセスがわかるつくりとしました。 今回は不動産会社ネクステップ提供の計画地に建設工事費と設計料とそれぞれの消費税を含め2000万円でつくるプロジェクト「Liv Project 2000」が私達の主な提案となりました。 私の提案は西野の95坪の大きな敷地(約1200万円)を選び、玄関土間とフリースペースが印象的なコートハウスの提案としました。 居間がある主階はロフト8畳位のスペースを2つ上部に持つロッジのような構成で、延べ面積32坪のコンパクトな中に敷地の大きさを生かした伸びやかで、また、離れの楽しさも感じるアウトドアのライフスタイルが十分楽しめる発展可能な住まいの提案です。 イベントは多くの人で賑わい、たくさんのお話しもできました。 普段と違う活動ですが広く知ってもらい、また、建築の楽しさと魅力をお話しでき、大変有意義な時間でした。 またイベントをつくり上げるスタッフ“チームLiv”のエネルギーも素晴らしかったです。    (遠藤 謙一良)

(blog)ロング&スロー トークイベント

カンディハウス道央支店にて4月1日にカンディハウス長原会長様と私でトークイベントを開催致しました。 聞き手は道立近代美術館主任学芸員 井上佳津恵様で「田上義也と札幌モダン」の著者で知られた方です。 私はNPO小樽ワークス代表として坂牛邸保存再生活用について1時間ほど映像を交えてお話しし、特に建築や都市をどのようにみるのかと、どのような環境が求められているのかをお話しし、その中で小樽の持っている歴史的資産と歴史的流れと坂牛邸をまとめ過去と現在と未来をつなぎ”生きた街”をつくりたい事をお話ししました。 特に観光と時代が求める質感がキーワードになる事もお伝えしました。 長原会長は自身のプロフィールを語り一貫したデザインへのこだわりとヨーロッパ修行時代に3年間で巡ったヨーロッパ中の美術に多く触れ、本物とは何かがわかったと語り、その時の気持が今も強くもたれている事に感動する内容でした。 また自身のデザインされた、ベストセラー ボルスについて大切に使われてレストアで張地の張替え等の再依頼が一番嬉しいと語られていた事が印象的でした。 北海道を代表する企業が、デザインをもっとも大切にし、海外にもアメリカ、ヨーロッパに展開され成功されている事は素晴らしく北海道にいても誇らしい事です。 聞き手の井上さんも建築や家具・デザインが大好きな方で、デザインが生まれる本室を探る的確なお話でまとめられました。 特に「田上義也と札幌モダン」は多くの一般の方に北海道の建築文化を伝える本で、多くのメディアに取り上げるきっかけをつくっており、建築文化への功績は大きく感謝しております。最後に長原会長が旭川で植樹運動を100年の計で始められたとお話しされてました。個人として社会として地域文化として歴史や環境・文化をしっかり考える事が共通のテーマである事を再認識する大切な機会となりました。 企画して頂いたカンディハウス様に心より感謝致します。 (遠藤 謙一良)

フランス・パリ旅行

2009年3月19日~26日にかけてフランスに行ってきました。 実質パリに7日間滞在し、建築やフランスの街・美術館を感じ、楽しむ旅行です。 パリのベルシー地区のホテルを拠点にル・コルビジュエをはじめ、フランスの建築にふれ、また美術を多く見てきました。 街の大きさや構成、地下鉄、生活、食文化の一端にふれ、日本での日々の生活との違いに驚き、大変大きな刺激を受けました。 パリはセーヌ川が街の中心を横切り、ルーブル美術館を中心に発展した街で、セーヌ川景観が世界遺産となっている統一感ある大変美しい景観をつくっています。 街中の建物は、石造りでベージュの色がほとんどですが、フランスの大地の地層が過去に海であった名残の石種です。 建物は敷地いっぱいに建ち、1階がお店やカフェ・オフィス・住宅に利用され、上部が住宅やオフィスに利用されている店舗併用が当たり前の構成で、生活感のある快適な住環境を実現しています。 住居の窓はほとんどが縦長で床までの窓となり、安全とメンテナンスでバルコニーがついていました。ほとんどが同じ構成と高さでつくられています。 街中にたくさんあるカフェで夜遅くまでお茶やお酒・食事を日常的に楽しむ、色々な魅力がいたるところにつくられ、人間性あふれる大変素適な街でした。 これからいくつかご紹介していきたいと思います。   ▲ ベルシー地区(元ワイン倉庫跡)    ▲ オペラ地区                                 ▲ セーヌ川 (遠藤謙一良)

(event)4/4・4/5 札幌ファクトリー LIV建築家~ニバル2009のお知らせ

来る4/4(土)・4/5(日)の二日間、札幌ファクトリーアトリウムにて、建築家~ニバル2009が行われます。 期間中、家作りに関する楽しい様々なイベントが行われます。 当事務所もイベントや、パネル展示などで参加します。 お時間ございましたら是非お寄り下さいませ。  4月4日(土) 11:00〜18:004月5日(日) 11:00〜17:00サッポロファクトリー アトリウム会場(札幌市中央区北2条東4丁目) LIV HP http://www.plaza-liv.net/index.html 建築家~ニバル2009  http://www.plaza-liv.net/architect-carnival/index.html Liv Project2000 http://www.plaza-liv.net/event/project2000/index.html    イベントお問い合わせ 建築家プラザLIV(リブ)札幌市中央区北4条西20丁目1-20tel:011-612-8110mail:pro@plaza-liv.net

(event)カンディハウス ロング&スロートークイベント「使い続けられる建築とイス」

陽も長くなり、暖かさを感じる陽射しの中に、春を感じる今日この頃です。 日頃住宅などでお世話になっておりますカンディハウスとトークイベントを開催する事となりました。 カンディハウスの木を素材とする“長く使えるものづくり”をベースとした今年のテーマ「ロング&スロー」として 私が関わる“NPO小樽ワークス”のお話しを坂牛邸について長く住み、また、守る事を建築家として話します。 カンディハウスは会長の長原さんが自作を含めてお話しされテーマと重ねるイベントとなります。 司会は北海道立近代美術館・主任学芸員井内 佳津恵さんが行います。 予約制ですので時間のある方は是非ご参加下さい。 ▼ クリックしてご覧下さい。 ————————————————————————– ————————————————————————– ————————————————————————– ▲ クリックしてご覧下さい。 (遠藤謙一良)

(blog)第1回JIA「テスクチャレンジコンペ」

  「北海道をおいしく食べる場/空間」 ~「食」を通して環境を考えてみませんか~ をテーマに2月25日、第1回JIA「テスクチャレンジコンペ」の公開審査会が開催されました。 環境を考える若者を応援したいと後援者のテスク(外断熱のメーカー工務店)の申し入れでスタートし、テーマ設定を含め昨年の9月より準備を進めてきました。 環境を技術で考えるだけでなく生活全てが深く関わり、文化そのものが環境そのものである事、食料王国北海道にふさわしい食をテーマとしました。 16作品の応募があり、北大の森傑准教授を審査委員長に迎え、3時間の公開審査になりました。 20人の参加者の中の審査で、作品を充分議論する事に重点を置き、意見を深めながらの審査となりました。 私も審査員として加わり、最優秀(イタリア建築視察旅行)は都市近郊にみられる荒れた耕作放棄地に参加型の景観が美しいガーデンレストランを提案した作品となり、優秀賞(中国建築視察旅行)は2作選ばれました。 他にも移動レストランなどユニークなアイディアが多く出され、空間の中に確かな環境を考える大切な機会となりました。 来年以後、規模を拡げ日本建築家協会北海道支部としての文化発信も、よりしっかりとしていく予定です。 私事としましては、先日受けたBIS(環境技術試験)資格に無事合格しましたので、当たり前ですがデザインと確かな技術で建築を目指したいと思います。  (遠藤謙一良)

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