NEWS & BLOG

Post archives News List

ドイツ-フライブルクのまちづくり

11月7日夜、札幌私立大学専門セミナー環境ジャーナリストで、ドイツ存在の村上敦氏の、ドイツにおける省エネ対策の現状と思考背景 -フライブルクのまちづくりを事例として- のセミナーを受講しました。 今後、先進国が向かう高齢化により、人口や経済力が縮小し、またCO2増加の環境問題に考慮したソーシャル・エコロジー住宅地という新しい考えを実践している都市の話でした。 都市の中で戸建をほぼ認めず、エネルギーをまとめて生産(コージェネレーション)し、地域暖房を行い自動車を家から離れた不便な共同駐車場に置き、極力トラムという路面電車を活用する個人の自由が大きい日本では考えられないルールの街です。 ルールでは4階建位の共同住宅が主で、太陽熱エネルギーをしっかり取り入れる工夫が行われ、建物の1階は店舗やオフィスなど地域住宅が働き、買い物をするスペースとなっています。 村上氏はドイツの民主主義の民意の高さと個人の公共に対する責任が大きい事にふれ、住民が自分達の意思と力で街をつくっている事を伝えていました。 個人の力がまだまだ弱い日本ですが、世の中では真剣に都市や国や経済を、個人の力を集結して見直しはじめています。 コンパクトに都市を再生する大きなヒントがあります。 (遠藤 謙一良)

コミュニティレストラン

11月1日 小樽坂牛邸にてNPO(財)北海道地域活動振興協会NPO小樽主催の コミュニティ再生講座を開催しました。 講師に余市テラスでB&Bというレストラン・カフェを 運営している伊藤規久子さんを招いて、講演を行い、 地産地消・旬産旬食・身士不二・一物全体・エコクッキングを基本に 1、コミュニティレストラン 人材育成機能 2、生活支援センター機能 3、自立生活支援機能 4、コミュニティセンター機能 5、循環型まちづくり機能 を目指して活動されており、レストランを拠点に失われた地域の コミュニティ再生や助け合いに繋がる活動を行うという考えの施設です。 箱物と呼ばれる建築は公共建築に限らず人間不在の建築と考えられますが、 建築だけの問題ではなく社会の構造等あらゆる事を見直す事が必要な時期に来ていると思います。 失われた地域コミュニティを再生し、地域に根ざした場所の再生に 運営方法を含め伊藤さんの活動は大きな可能性を秘めていると思いました。 本も出版されており、一度レストランに尋ねてみようと思ってます。 余市生協の右横、建築家 小室さん設計のエンジ色がアクセントの雁行型の建築です。 遠藤 謙一良

建築ツアー 3

10月17・18日と仙台からレンタカーで南下して福島県・栃木県へ行き、 磐木市の水族館アクアマリンを観る。 東北最大規模の水族館でヴォールトのガラス屋根に覆われ美しい建築です。 内部は大屋根の下をガラスで仕切られたり、 スペースをゾーンで分けられ内部と外部の区分けが自然で 特に生物の生息環境を再現している展示は天窓から太陽光が入り 大変気持ち良い屋外のような空間でした。 シーラカンスの調査など独自の視点で運営されており 前浜に広がるビオトープの試みも素晴らしい施設でした。 つい時間オーバーしてしまい、次に会津若松へ向い重要文化財さざえ堂を観る。 木造の二重螺旋スロープ(?)の構成で、 行き帰りが別になっている通路だけの不思議な建築です。 登り降りで宗教的意味を得る空間です。 複雑で、見ても構造がすぐわからない構成ですが、 階段でない傾斜が滑らないギリギリの設定をされており、 名作の1つでようやく観る事ができました。 ただ、周辺環境が土産店に囲まれ雑然としており、 文化財の環境として疑問が残りました。 夕方、喜多方市の重要文化財熊野神社長床を観る。 簡素な中に柱と大屋根のプリミティブな建築でしたが、 東北の敷地環境雰囲気に良く合っていました。 翌日、那須の二期倶楽部の訪問許可を得て、各施設をゆっくり観ました。 3人の建築家・デザイナーで順を追って建てられた建築群で構成されていますが、 4万坪の土地の中でゆったりとした時間と心地良い空気・風が流れるテラスでランチをとり、 倶楽部の時間を少し楽しむ事ができました。 空間・時間・人(サービス)が特別な場を創る事を実践しており素晴しく、 特にさりげない造園にセンスの良さと多くの手間が入っており、 自然を気持ち良く感じる工夫に感心しました。 時間オーバーで広重美術館と石の美術館を訪れました。 広重美術館は屋根と壁が細い木のルーバーで覆われ、 部材として繊細で竹の虫カゴに入っていくイメージでしたが、 建築空間としての感動はあまり感じなかったです。 石の美術館は民間施設で、展示内容より水面の上に架かるアプローチと 空間のシークエンスが新鮮で回遊型の楽しい建築でした。 作者隈研吾の”反オブジェクト建築を溶かす”指向に可能性を感じて これからも建築を観るつもりですが、 形の力オブジェクトの建築の可能性も 大きく感じておりさらに考えていきたいと思っております。 遠藤 謙一良

建築家 手塚貴晴 講演会

10月29日 (社)日本建築家協会主催、(株)ABC商会後援により STVホールで若手建築家手塚貴晴氏を招いて講演会を行いました。 屋根の家と今回日本建築学会賞を受賞した、ふじようちえんを主に講演され ”楽しい生活を実現する” ”自然・環境に開く” と明快で気持ちの良いテーマが作品に共通しており、 コンセプトを明快にする構造や技術が高いレベルで形に結びついており、 私が全体の司会進行を進めながら感心した内容でした。 当日は300名を越える入場者で若い人が多かったので、 司会の中で、若い人へのメッセージをお願いし、 分かりやすい表現で話して頂きました。 私の母校の准教授でもあり、 建築学科が人気を保っている事を伺い嬉しく、私も心地良さの中。 彼の服装はトレードマークの青い色で、 アウトドアウェアで、暑くて脱いだTシャツも青。 制度や形式にとらわれない事も建築に一貫しており、 常々今後最も進化する服はアウトドアウェアと思っており、 自然体の新しい価値感に可能性を感じました。 遠藤 謙一良

札幌デザインウィーク2008

札幌デザインウィーク2008が10/31~11/3、札幌各所で行われています。 http://www.hokkaidodesign.com/  当事務所でも10/31、11/1の二日間オープンオフィスを行い、普段見て頂けない設計事務所の内部を見ていただける機会となっております。  お時間がありましたらお越し下さいませ。 (札幌デザインウィーク期間以外でも、事前にご連絡いただければ所内の見学はいつでもお受けすることが出来ます。)   また、期間中は、 「北海道の建築家パネル展」 日時:11月1日(土)~11月3日(月) 10:00~17:00 会場:ユビキタス協創広場 u-cala 札幌市中央区大通東3-1内田洋行北海道支店1F にも参加しています。 パネル、建築写真によるスライドに参加しています。

建築ツアー 2

  10月の16~17日、仙台にて日本建築家協会2008東北大会に参加しました。 会場は「せんだいメディアテーク」で行いました。新築と変わらない印象で、今回はメディアテークの1・5・6・7階をフルに使って大会会場としました。 会場前の道路は樹木で覆いつくされ、空中に緑のカーペットが浮いている不思議な空間となっていました。 メディアテークの1階の大型ガラススクリーンが開放し、歩道と一体となり、1階のホールに心地よい風が流れ、気軽に入れるアートスペースや図書館・カフェなどの知的環境が街に文字通り溶け込み、公共空間としての可能性と価値を十分もっている建築でした。 合間に建築家の小西さんと仙台の美術館と博物館を訪れました。 いずれも重圧で森の中にしっとりと建っていましたが北海道開拓記念館を設計した佐藤武雄氏の設計による博物館は動線計画と光の演出がうまく、レストランも街を見下す最高のロケーションとなっており、直線でダイナミックに空間を創っていく構成に感心しました。     仙台は魚貝類をはじめ、北海道のように食べ物の豊富な良い土地でした。 レセプションの行われた勝山館は銘酒勝山が所有するホールで、日本庭園と面したきらびやかな空間で歴史の重さを実感しました。 (遠藤 謙一良)

建築ツアー 1

先週の15日から19日まで東京・仙台・岩槻・会津若松・喜多方・那須高原へ旅行に行ってきました。 主な目的としましては私が所属する日本建築家協会2008年東北大会への出席が目的でした。 たまたま東京で安藤忠雄展と村野藤吾展があったため、それを見がてら東京へ行ってきました。    東京カテドラル聖マリア大聖堂や、安藤忠雄の東京大学 情報学環・福武ホール、銀座のニコラス・G・ハイエック センター、また、中銀のカプセルタワービルなどを見てきました。          東京カテドラルはメンテナンスが良いせいか青空の中に銀色にひかり、凛と立ち上がっていました。 内部に入ると外部とは対照的に、光を抑えたコンクリートの影が印象的な空間です。 この内と外のコントラストの強さが、この教会の全てだと思います。 光は十字架に切られ、教会としての象徴的な形を示しており、静寂で音の響きが良い厳粛な空間でした。              安藤忠雄の東京大学 情報学環・福武ホールは東京大学の敷地の中で高さを低層に抑え、地下に内部空間を取り入れて環境的にはインパクトの少ない構成で成功していると思います。 片持ちの庇やコンクリートの精度は相変わらず高く、材料の使い方も同じ素材を使いながら塗装も含め進化しているのが見て取れ、色々と参考になりました。 ただ、内部空間は教室がサンクンガーデンに面して連続した形になっていますが、今ひとつ空間としてのメリハリにかけ、少々物足りなく感じました。         銀座、坂茂のニコラス・G・ハイエック センターは、いくつかのブラインドを所有する時計会社が入った建物で、エレベータからそのまま各ブースにつながり屋上庭園をいくつか持った不思議な空間でした。 壁面のグリーンも印象的ですが、メンテナンスが大変そうです。      安藤忠雄展は大変充実した内容でした。 住吉の長屋の原寸模型があり内部空間を体験することが出来ました。 スケールは予想通り最小限の空間でしたが意外と快適なスケール間でした。 小住宅としての可能性を改めて再認識しました。 汐留の村野藤吾展はそれほど規模は大きくありませんでしたがスケッチが多く展示されており、建築やディテールが見い出されていくプロセスが良く伝わってきた展覧会でした。 非常に繊細で快適なスケール間を感じました。 (遠藤 謙一良)

のりゆきのトークDE北海道にて

10月15日(水)UHBテレビ午前9:55~11:25、のりゆきのトークDE北海道、「最新の住宅特集」にて、 北の沢の家が紹介されます。 http://www.uhb.co.jp/program/official/talk/talk_top.html ぜひご覧下さい。

ニセコ アパートメント・小樽 M-HOUSE

10月5日、設計がスタートする北区の教会で、教会員の皆様に、ご挨拶と計画案の説明を行いました。 形と空間・光の質問をいただき、精神と空間の質についての大切さ、空間の本質を問われる思いで心新たにしました。 6日夜、坂牛邸-小樽ワークス-のミーティングで今年度のミーティング活動について話し合いを行いました。 20人位の参加メンバーでNPOの勉強会もスタートします。      今年中に竣工を予定しているニセコのアパート(約500㎡)は、構造が建ち上がり道路に沿ったR型の形が姿となりました。屋根も弧を描き美しい曲面です。 道路側の木ルーバーの寸法を決めるのに立会い、曲面を軽く強調する形を検討しました。        小樽市緑のM-HOUSEも一部の足場が外れ、白く片持ちで道路側に持出されたガラスのバルコニーと、3階の吹抜け・テラスからの光が印象的な空間です。     11日、12日は厚別の住宅がお施主様の好意でオープンハウスを行っています。 ニセコへの新しい国道は紅葉が大変キレイです。  (遠藤 謙一良)

Category
New Posts
Archives