NEWS & BLOG

Post archives News List

サスティナブル・スイス 滝川薫氏 講演会

私が所属する日本建築家協会北海道支部主催の 講演会が2009年11月10日(火)北海道自治労会館で 開かれます。 環境全般のスイスのユニークな話が聞けますので、 是非、お誘い合わせの上御来場下さい。 遠藤謙一良

金沢

 10月10日から金沢へ行き、金沢21世紀美術館をおそまきながら訪問しました。年間130万人も訪れ、ルーブル美術館からも視察に訪れるほど人が多く訪れる、人々に開かれた人気の美術館です。当日は天候にも恵まれ土曜日という事もあり、多くの人が訪れていました。  敷地は兼六園の向かいに位置し、歴史の町金沢の歴史的中心に建っている印象です。プランは円形のガラス張りで、外周をパブリックスペースとし、円の中心に直方体のキューブがいくつか配置され、スペースを回遊式に巡る展示となっています。 円形に求心力があり外部の庭でフリーマーケットを市民が開催し、お祭り広場のような印象でした。  内外共白でつくられた建築は歴史の重さを消し去るような軽やかな建築です。内部にはキューブの間にドライなテラスがいくつか配置され光が反射する空間が展開します。規模等はバランスが良いと思いましたが、数時間過ごし、空間的にはあまり印象に残らない空間的にも密度の強弱もない、無味な印象でした。人々に開かれた建築・場としては大成功と思いますが、その点を大切にしながら金沢の歴史の要素や意味や価値が重層化している建築もあったかなと自分なりに考えました。つまり、日本文化にある素人も玄人も外国人も良さがわかるが、感性豊かに対峙した時、人々の意識や経験によって幾重にも感じられる精神性が備わっても良かったのではないかと思いました。  向かいの兼六園の誰もが理解出来る空間は樹木の一つ、建物の一つに時間や由緒があり徹底的に手入れされ掃除された 美しい世界の中に観る人の気持ちや眼力によって多様に深まる質感にその答えがあるように感じました。    

第3回 L I V住宅見学会〜建築家の家を見に行こう!〜11月29日(日)

所属する、建築家プラザLIVにて、第3回の住宅見学会が行われます。 所属建築家が手がけた住宅を、実際にオーナーさんにお願いして見学させていただく貴重な機会です。  住宅をお考えの方は是非お越し下さいませ。  ご予約はLIVホームページからどうぞ↓ リンク:建築家プラザLIV http://www.plaza-liv.net/event/index.html  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  第3回LIV住宅見学会 〜建築家の家を見に行こう!〜 LIVでは今年も建築家が設計した住宅の見学会を企画致しました。貸切りバスに乗ってLIVの建築プロデューサー、建築家と共にじっくりと住宅見学ができます。また様々なご質問、ご相談にもお応えできますのでお気軽にご参加ください。〜開催要項〜 日時   11月29日(日)12:30〜17:00 集合場所 建築家プラザLIV 参加費  無料 募集定員 先着30名様(定員に達し次第締切) 募集期間 10月26日(月)〜11月28日(土)参加ご希望の方は電話、又はEメールでご連絡ください。 行程等の詳細は後日ご連絡致します。 Eメールでご連絡いただく場合は  1、参加者氏名(複数名の場合は代表者氏名)  2、ご住所  3、お電話番号  4、参加人数 をご明記ください。募集定員に達し次第、募集期間中でも募集を打ち切る場合があります。(昨年参加者は33名でした) 参加ご希望の方はお早めにご連絡ください。

円山西町の家

札幌円山西町に延107.56㎡の住宅が竣工しました。 2階を主階とし三角形の屋根型が内部に空間化された拡がりのある空間となっています。 2階の階段を上った面にテラスが設けられ居間からまた浴室からもテラスを楽しめる構成です。 居間から将来の庭の樹木を景観として眺める為の出窓をつくり 階段上の格子の収納など様々な工夫を組み入れました。 外装は濃い茶色を主とし、アクセントに木サッシュに赤茶をいれました。 全体にトーンを落としシックなデザインとしました。

佐川美術館 樂吉左衛門館

9月4日 ヴォーリスを見る前に朝から琵琶湖の近い 守山市の佐川美術館に立ち寄りました。 予約をしていった樂吉左衛門館を係員 説明のもと見学致しました。 本館は水面に2つの三角屋根の建築が 浮かび、平山郁夫と佐藤忠良のコレクシ ョンが展示されています。 樂吉左衛門館は水面の地下を通って、 水上に浮かぶ茶室への一連の空間で 構成されています。 茶そのものの理解がないとその本質は なかなか理解できないかもしれませんが 暗い路地を通り、奇付から荒々しい水露 地を通じて水面化の位置を知り同時に円 く切り取られた光を強く感じ盤陀庵そして 水庭に浮かぶ府仰庵に至ります。 木材・紙・竹・石・コンクリートと素材へ質 を高めるこだわりが徹底され光と切り取ら れた風景の中で固有の深い精神性を感 じる空間に昇華されていました。 建築は陶芸家で展示されている作品の 作者自身・樂吉左衛門館が創案し、 竹中工務店も設計者として加わっています。 作者はこの茶室を日常と非日常の「狭間」 に開かれた内的時空を位置づけて展開 しています。 茶道の勉強不足で深い真意にまで近づけ てないでしょうが最近日本古典に触れて感 じる身体と精神の深さに限りなく共振する質 が素晴らしくまた深い心地良さをもたらす事 今回共通する質の極みを感じました。 遠藤謙一良 以下絵葉書から         

ウィリアム・ヴォーリス展 in 近江八幡

佐川美術館の帰りにウィリアム・ヴォーリスの作品を訪れる為、近江八幡へ寄りました。 八幡掘の水郷の風景が大変美しい街で、古い町並みも残っています。 1920年から近江八幡で建築家として活動し、生涯1600あまりの作品をつくり、メンソレータムや学校など事業家としても活躍したウィリアム・ヴォーリスの作品が目当てで、たまたまヴォーリス展が開催されており7作品見ることができました。 基本的に洋館ですが風土にあい、また、ディテールに使う人に十分対応した、やさしい親しみのあるデザインで子供用の家具等 生活感とスケール感が素晴らしい心地良い空間でした。 市民ボランティアが運営し、街が1つになってヴォーリスの建築を大切に守っている羨ましい街でした。          

長浜・黒壁スクエア

10月初旬、琵琶湖に面する長浜・黒壁スクエアを訪れました。 1900年に銀行として造られ、地元で黒壁銀行と呼ばれて親しまれてきた歴史的建造物の再生保存をきっかけに、1989年からスタートした黒壁株式会社により地域再生街づくりを観る事が目的でした。 黒壁株式会社は地元の8社の会社と長浜市がつくった街の運営会社で、黒壁のガラスショップを直営し、主にガラスをテーマに直営や参加店舗29店で構成され、歴史的建造物を主に、美術館・レストラン・カフェ・物販店からつくられ、小規模ながら観光客が多く訪れていました。 他に“NPOまちづくり役場”も街中に拠点をかまえ、市民運動として様々な活動をし、また新たに“長浜まちづくり株式会社”をつくり、国の指定を受け、中心市街地活性化の計画の活動もあり、行政と地元企業・商店と市民が一丸となって街づくりを考え活動していました。 黒壁はピークを過ぎ、次の展開を模索中で事実や新鮮味と魅力に欠けていた感がありましたが、チャレンジ精神と行動力に共感しました。 小樽の街づくりやフォーラムの企業に参考になりました。   

ハイアットリージェンシー京都

杉本貴志による再生されたデザインのホテルです。 京都の時間の記憶と文化に溶け込み同時に現代性も兼ね備えた現代の和を目指した密度の深いデザインとなっていました。 ロビーは天井と壁がアルミ鋳物の紋様と格子で覆いつくされ、照明が組み込まれた柔らかで細密な京都にふさわしいデザインとなっていました。 アプローチの竹林も昼夜と光によって見事に変化する幽玄でモダンな印象的な景観をつくっていました。

大徳寺 

孤篷庵 大徳寺境内に重要文化財の小堀遠州により、1612年より設けられた遠州の終の住処孤篷庵(非公開)を見学致しました。 琵琶湖をイメージした八景の庭を楽しむ茶室忘筌の空間が素晴らしい2間(3.6m)空中に浮いた障子の下に切り取られた露地庭は座る席によって様々な表情が楽しめる構成となっています。 高桐院 表門をくぐると苔と楓の木々が美しく石畳の細長い参道が続き左へ右へと曲がりながら玄関にたどり着きます。 廻遊式庭園を巡り竹林を背景とした楓と苔の庭に面する客殿は気持ちの良い空間でした。 秋の11月第1週位は真赤な楓で参道と庭が埋め尽くされるそうです。 その後西陣で、爪つづれ織や金箔の伝統工芸技術を見学しました。 孤篷庵(参考:新建築)

平等院宝物館 鳳翔館

修学院離宮の後に世界遺産平等院を訪れました。 今回の目的は9年前に竣工した宝物館を観ることが主な目的でした。 平等院鳳凰堂に正対した時に見えない設計になっている点がどのような関係なのか、またロビー近くに設定され、苔庭に面した開放された緑の空間が何とも地面より浮き上がり、外か内かあいまいな中に設定されている空間を一度体験してみたかったからです。 予想通り鳳凰堂を望む風景には、森に覆われ確認することが出来ませんでした。 宝物館には鳳凰堂のすぐ裏側からアプローチし、小高い丘の地下に入っていく構成となっております。 コンクリート打放しの中に国宝の展示が浮かび上がる見事な展示で、上階に登ると緑に開かれたロビー階にでます。造園家宮城俊作が手掛け、空間が見事に環境と一体化しています。 外に出るとフラットルーフのガラス屋根に覆われ水平に伸びるフラットルーフの下に、入れ子に組み込まれるように、床と水平な屋根と床で構成された緑が苔庭に面して広がっています。 周辺建物が樹木で見事に風景から消され、小高い丘には宝物館の心地よい固有の美しい空間がありました。 世界遺産と宝物館が動線的に回遊するシークエンスが美しく魅力的な空間がつくられ、宝物館が一方向から隠れ、また周辺の建物を風景から完全に除いた綿密な計画は見事であり、さりげない自然な流れにデザインの深い本質を体験しました。見事な仕事でした。 生憎の雨でしたが休憩を兼ねて緑に座り、苔の前庭で清涼な時間を過ごしました。

Category
New Posts
Archives